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2017/08/18 08:26 |
読書記録:『サーライズの三角塔』
サーライズの三角塔
著者:恵陽 さま
サイト:月明かり太陽館
ジャンル:長編ファンタジー

恵陽さんのお話は青波の好みなわけであります。
左腕オリバー』と衛星三連作で惚れこんだのですが、このお話もとてもよかった……。
というわけで、執筆を横において一気に読んだ感想です。
(一部はツイッターで呟いた内容ですが)

町外れの塔に軟禁されて共同生活を送る、八人の若者のお話。
「巫女」と「護衛騎士」と呼ばれる八人は、町の掟で塔から出ることなく九年間を過ごしているわけですが。
ある日、その巫女であるアークが忽然と消えたことから、塔の止まっていた時間が動き出します。
明かされる掟の真実と、それを知った彼らの息の合った行動と、その先に待つ「未来」を迎えるまでの流れが、テンポよく展開されていくわけですが。
全編通して物語を包む雰囲気がすごく優しくて、安心して読み進められました。
結局のところ、彼らを塔に縛っていたのは「過去」のしがらみなのですが。
その「過去」を目の前にして、それに対して八人がそれぞれの思いをそれぞれに抱きながら、でも、前向きに己の取る道を選び取っていくのがよいですね。その選択が、絶対によいものになると信じさせてくれる八人の明るさに救われます。
例えば、テトラはこの八人の中でも明確な「憎しみ」を示すわけですが、それも、あの八人の中にあって、やわらかく丸められて、過激に暴発することなく、正しく「未来」に収まっていく。
そうなるのも、あの八人が決して腐ることなく、お互いに認め合いながら、本当に「家族」のように暮らしてきた結果なんだろうなあ、と。素直な気持ちで思えるわけです。
そして、その「家族」の絆は、彼らの前に立ちはだかる(?)ヨアヒムにも言えることで。
どこまでも、あたたかな、絆のお話でした。

しかし、恵陽さん、メイスン書くの楽しかったんだろうなあ……(笑)
恵陽さんが「腹黒描きやすい」って言ってたのがすごくよくわかる……確かにメイスン超生き生きしてました。
青波はカーツェのあの穏やかなたたずまいが好きでした。あと番外編の滋養強壮スープはやたら笑えました。あ、あの邪気の無さは反則だ……!
あとクアン様いい人すぎるだろおおおおお。
あと、地味に、「最後は皆、それぞれの道を歩んでいく」、っていうのが好きな青波は、あの結末がとても好きだったりします……。

あと、これはこのお話に限ったことではないのですが、恵陽さんの小説って、ページタイトルの名づけに毎度にやっとさせられます。(ソースでいうtitle部、というべきか)
こう、本文のタイトル以上に作者の本音が滲んでいるというか。笑。
最初の「とりあえずは名前だけ」に吹いたのは私だけでいい。

【余談】
そういえばこれは『サーライズの三角塔』は関係ないんですが。
本日『現代悪役概論』を「Short Story Cafe」様に登録しててふと思い出したのが、恵陽さんの『限りなく白にちかい黒』でした。
というか、短編リスト眺めてて、そういやこれ恵陽さんの作品だったか……! というのが今更の驚き。
当時は恵陽さんの他の作品を知らなかったので、今になって驚いています数年越しに。
(実は恵陽さんの話で初めてまともに読んだのが企画参加作品『限りなく白にちかい黒』だったのです……(青波は『現代悪役講義』で参加していたのですが))
あれはやっぱりオマケの方が怖いですって。凄く怖いですって。
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2013/04/13 20:54 | 読書記録

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