酷く暑い朝。対策室の扉を開いた八束は、硬直した。
「おはよー、八束」
ソファの上に巨大スライムが鎮座し、しかも相棒の南雲の声で喋ったから。
「どうしたんですか!」
「暑くて溶けた」
「治るんですかそれ」
「うん。冷凍庫のアイス取って」
慌てて青いアイスを取り出し、スライムに渡す。
「あと、どうすればいいですか?」
もしゃり。見えない口で確かにアイスを咀嚼したスライムは、重々しく言った。
「かき氷食べたい」
「それで、元に戻るんですか?」
「溶けたら冷やして固めるものだよ。あ、スイカバーも食べたいなー」
「……という夢を見ました」
「夢でもぶれないねえ、俺」
南雲は、八束が夢の中でも見た、ソーダ味のアイスをもぐもぐしていた。
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Title: 熱に弱い
★SS企画《俺のグルメFESTIVAL》の参加作品です。
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