相変わらず同一名が多すぎてわかりづらいとは思いますが!
『机上の空、論。』のブルーとか『アオイロソウビ』のライラとは別人というか、彼らの名前の由来となった、とある「悪魔」と後の聖女の会話です。
「……あ、あの、ブルー?」
「どうした、ライラ」
「一つ、質問があるのですが、よろしいでしょうか」
「そんな畏まらなくてもいいって。なになに?」
「魔王や悪魔が操る『門枢術』は、女神がもたらした魔法の力とは、全く異なる理論で構築されていると聞かされています。そして、魔王イリヤをはじめとする悪魔は、『門枢術』でしか完全には打倒することができない、とも。一体、『門枢術』とは何なのでしょう。同じ悪魔であるブルーなら、わかるのかと思いまして」
「あー……。俺様、バカだからな。どっからどう話したもんか……」
「その、難しければ、無理にとは言いません。でも、魔王イリヤを倒すなら、少しでも理解をしておかなければならないと、思うのです」
「そうだな。まず『門枢術』って言葉の説明からはじめっか。『門枢』ってのは、その名の通り『門』なんだ。この世界と、ここではない別の世界を繋ぐ、門だ。『門枢術』、って言ってるのは、その門を自由に開け閉めする技術だと思ってくれ」
「楽園の他にも、世界があるんですか?」
「そ。まあ、呑み込めないかもしれんが、『そういうもの』だと思っといてくれ。で、俺たち悪魔ってのは、他の世界とつながった門を通って、他の世界からやってきた来訪者。『門枢術』によって引き起こされる魔法みたいな現象は、他の世界に門を開いて、そっちの世界の理論や現象をこっち側に持ち込むことで引き起こされる。そのかわり、門の向こう側からやってくる連中、つまり悪魔は、この世界独自の力である『魔法』は使えねえんだがな」
「あれ、でも、ブルーは魔法も使えますよね」
「ぎくっ」
「……どうしてですか?」
「え、えーとだな……、この世界生まれの人間にも、門枢術が使える『門枢士』がいるように、悪魔ん中にも例外はいるんだよ、多分な!」
「なんだか、難しいですね」
「俺も、その辺、感覚的に使っちまってるからなあ。正直、俺にとっちゃ魔法も門枢術も変わんねえんだ。どっちも、生まれた時から、当たり前のように使える力だったし」
「しかし、どうして、悪魔は門枢術でなければ、打倒できないのですか?」
「んー、ここがめんどくさいんだよな。えーと、悪魔ってのは、元々が他の世界の存在で、片足を常に元の世界に置いてる……、っつーか、何つーか。とにかく、この世界の法則に、完全に従ってるわけじゃねえんだ。だから、剣や魔法で殴るだけじゃ、効いてる感じしねえだろ、あいつら」
「そうですね。確かに傷は負わせられますが、あまり堪えたようには見えませんでした」
「けど、門枢術は本来その悪魔が属している世界の力を、門から引き出すことができる。ここの法則が通用しなけりゃ、向こうの法則にしたがって殴ればいいってことだ。ついでに、相手を無力化した後は、開けた門の中にそいつをぶち込んで閉ざすことで、悪魔を『封印』することもできる。これが門枢術の主な力だな」
「なるほど。だから、悪魔退治には、必ず門枢士の力が必要なのですね。ただ、門枢術は悪魔の力でもあるがゆえに、門枢士は、虐げられてしまう……。彼らは、悪魔を倒すために尽力してくれているというのに、悲しいことです」
「ま、普通の連中には、門枢士も悪魔に見えちまうしな。俺と普通に喋ってるお前さんなら、んな偏見もねえんだろうけどさ」
「だって、ブルーは、悪魔でも、優しい悪魔ですから」
「わっかんねえよ? 実は、隙を狙ってぱくっと食べちゃおうとしてるかもしれねえだろ」
「わたしのこと、食べるんですか?」
「あー……、人肉を食べる趣味はねえなあ」
「ほら」
「やりづれえなあ、全く」
「ふふっ。でも、悪魔と門枢術について、少し理解が深まりました。ありがとうございます」
「ああ、あともう一つ。悪魔は異界の法則に従ってるっつったが、それは頭ん中も一緒だ。奴らは、俺たちの常識が全く通用しねえ。仮に言葉は通じていても、全く別のことを考えてる奴らが圧倒的に多い。話してわかると思ったら、大違いだかんな」
「……は、はいっ」
「ライラは危なっかしいからなあ。連中に丸め込まれっちまいそうで、心配なんだよ」
「すみません……」
「ま、俺様もいるんだから、困ったらせいぜい頼ってくれよ。おっさんに頼まれた以上、最低限、お前さんが無事家に帰れるようになるまでは、付き合うからよ」
「……はい。ありがとうございます、ブルー」
『机上の空、論。』のブルーとか『アオイロソウビ』のライラとは別人というか、彼らの名前の由来となった、とある「悪魔」と後の聖女の会話です。
「……あ、あの、ブルー?」
「どうした、ライラ」
「一つ、質問があるのですが、よろしいでしょうか」
「そんな畏まらなくてもいいって。なになに?」
「魔王や悪魔が操る『門枢術』は、女神がもたらした魔法の力とは、全く異なる理論で構築されていると聞かされています。そして、魔王イリヤをはじめとする悪魔は、『門枢術』でしか完全には打倒することができない、とも。一体、『門枢術』とは何なのでしょう。同じ悪魔であるブルーなら、わかるのかと思いまして」
「あー……。俺様、バカだからな。どっからどう話したもんか……」
「その、難しければ、無理にとは言いません。でも、魔王イリヤを倒すなら、少しでも理解をしておかなければならないと、思うのです」
「そうだな。まず『門枢術』って言葉の説明からはじめっか。『門枢』ってのは、その名の通り『門』なんだ。この世界と、ここではない別の世界を繋ぐ、門だ。『門枢術』、って言ってるのは、その門を自由に開け閉めする技術だと思ってくれ」
「楽園の他にも、世界があるんですか?」
「そ。まあ、呑み込めないかもしれんが、『そういうもの』だと思っといてくれ。で、俺たち悪魔ってのは、他の世界とつながった門を通って、他の世界からやってきた来訪者。『門枢術』によって引き起こされる魔法みたいな現象は、他の世界に門を開いて、そっちの世界の理論や現象をこっち側に持ち込むことで引き起こされる。そのかわり、門の向こう側からやってくる連中、つまり悪魔は、この世界独自の力である『魔法』は使えねえんだがな」
「あれ、でも、ブルーは魔法も使えますよね」
「ぎくっ」
「……どうしてですか?」
「え、えーとだな……、この世界生まれの人間にも、門枢術が使える『門枢士』がいるように、悪魔ん中にも例外はいるんだよ、多分な!」
「なんだか、難しいですね」
「俺も、その辺、感覚的に使っちまってるからなあ。正直、俺にとっちゃ魔法も門枢術も変わんねえんだ。どっちも、生まれた時から、当たり前のように使える力だったし」
「しかし、どうして、悪魔は門枢術でなければ、打倒できないのですか?」
「んー、ここがめんどくさいんだよな。えーと、悪魔ってのは、元々が他の世界の存在で、片足を常に元の世界に置いてる……、っつーか、何つーか。とにかく、この世界の法則に、完全に従ってるわけじゃねえんだ。だから、剣や魔法で殴るだけじゃ、効いてる感じしねえだろ、あいつら」
「そうですね。確かに傷は負わせられますが、あまり堪えたようには見えませんでした」
「けど、門枢術は本来その悪魔が属している世界の力を、門から引き出すことができる。ここの法則が通用しなけりゃ、向こうの法則にしたがって殴ればいいってことだ。ついでに、相手を無力化した後は、開けた門の中にそいつをぶち込んで閉ざすことで、悪魔を『封印』することもできる。これが門枢術の主な力だな」
「なるほど。だから、悪魔退治には、必ず門枢士の力が必要なのですね。ただ、門枢術は悪魔の力でもあるがゆえに、門枢士は、虐げられてしまう……。彼らは、悪魔を倒すために尽力してくれているというのに、悲しいことです」
「ま、普通の連中には、門枢士も悪魔に見えちまうしな。俺と普通に喋ってるお前さんなら、んな偏見もねえんだろうけどさ」
「だって、ブルーは、悪魔でも、優しい悪魔ですから」
「わっかんねえよ? 実は、隙を狙ってぱくっと食べちゃおうとしてるかもしれねえだろ」
「わたしのこと、食べるんですか?」
「あー……、人肉を食べる趣味はねえなあ」
「ほら」
「やりづれえなあ、全く」
「ふふっ。でも、悪魔と門枢術について、少し理解が深まりました。ありがとうございます」
「ああ、あともう一つ。悪魔は異界の法則に従ってるっつったが、それは頭ん中も一緒だ。奴らは、俺たちの常識が全く通用しねえ。仮に言葉は通じていても、全く別のことを考えてる奴らが圧倒的に多い。話してわかると思ったら、大違いだかんな」
「……は、はいっ」
「ライラは危なっかしいからなあ。連中に丸め込まれっちまいそうで、心配なんだよ」
「すみません……」
「ま、俺様もいるんだから、困ったらせいぜい頼ってくれよ。おっさんに頼まれた以上、最低限、お前さんが無事家に帰れるようになるまでは、付き合うからよ」
「……はい。ありがとうございます、ブルー」
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