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2024/11/28 14:54 |
覆面作家企画6 Gブロック感想
Gブロックの感想になります。
推理は後でできる限りやりたいです(と前回も言っていて結局挫折した)。
む、無理のない程度で頑張ります。
思いっきりネタバレしています。
また、前回同様にノリと感性だけで語ってるフシがあるので、トンチンカンなこと書いてたらすみません……!




G01 いきたいと希う
湖のほとりに佇む不思議な二人の少年、という神秘的なモチーフと、夜に舞う蛍火の美しさが胸に沁みます。
大和のあり方と伊織のあり方、二人がお互いに相容れない死を経ているからこそ、生きていくことの息苦しさと、それでも生きていくということを、杏菜と一緒に考えずにはいられません。
「何かが変わった訳ではない」に続けられる「それでも」という言葉に、杏菜の強い決意を感じられて、彼女のこれからを陰ながら応援していきたくなりました。

G02 火宅咲(わら)う
一つのきっかけから、噂に背中を押されて、ただただその家を目指す「彼女」の姿にうすら寒いものを感じていたら……
願い、という言葉に込められた「彼女」の思いの全てを理解することはできないのですが、けれど、語られる言葉と「彼女」の行き場のなさに胸が苦しくなりました。
そして最後の最後でやっと登場する「私」の存在に驚かされました。
最初から何か奇妙な地の文だとは思っていましたが……

G03 これから朝が訪れる
これもまた胸が苦しくなる話です。
どこか諦めに似た日々を送っていたレイラが、エレナという少女と出会ってから否応なく変わってしまう、そしてそれを自分自身でどうにもできない、その息苦しさがこちらまでひしひしと伝わってきます。最後のエレナとの再会で、レイラの朝が、彼女がそこにいていい朝が始まることを願います。
あと、レイラ視点だったからか、エレナの態度とその変化の理由がよく読み取れませんでした、すみません……

G04 蝋燭
最初の状況から、何となく嫌な予感はしていたのですが、少しずつ、少しずつ、真相が迫ってくる感覚が恐ろしかったです。
しかし、少女の、じわじわと男を追いつめていく手際に圧倒されます。
確かに、男を姉の末路と同じ形で裁くのは彼女にしかできなかったでしょうし、結局男は少女の求めた言葉を与えてくれなかった。
けれど、最後の少女の「目を閉じた」という言葉には、怒りや悲しみをこえた空虚を感じずにはいられませんでした。辛い……

G05 金糸雀に雨
物語全体の雰囲気というか、空気がすごく好きです。
ボーイ・ミーツ・ガールはいいものです。とてもいいものです。
ほんとよだかええ子や……。是非そのままでいてください。お願いします。
決して夢や希望に満ち溢れているわけではないけれど、それでも、自分のささやかな、しかし大切な思いを何があろうと真っ直ぐに貫くよだかと、その思いを受け止める金糸雀のうつくしさがたまりません。
雨の灰色に浮かび上がるサーカス、煌めく鮮やかな空色、燃える翼。瞼の裏に浮かぶ情景に、本当にきゅんきゅんが止まりませんでした。

G06 ファレと変な魔法使い
タイトルの「変な魔法使い」っていうざっくりっぷりが大好きです!
ファレかわいいよファレ。タイトルと同じくらいざっくりとものを言っちゃうところも素敵。
そしてダメダメなライマ様との掛け合いの軽妙さ、悪夢祓いで垣間見たライマ様の真実と、ファレの凛とした態度。どこをとっても愛しいです。
だから、物語としては間違っているとわかっていても、一つ言わせてほしいのです。
ライマ おまえ なぜ イケメンに なってしまった(←)
私は黒くてもさっとしている方が好きなんだああああ(以下検閲削除)

G07 TOMOSU
えっ
……となっている間に話が終わっていて爆笑しました。
ちくしょーやられた。一瞬でもまともな話かと思った私がバカでした。
しかもオチが酷いwww 需要はどこにあるというのですか!?
でもちょっと実物が見てみたい気もするのでした。くそー……

G08 恋愛未満コンロ。
先輩……幸せになってください……!!
何かもう先輩好きすぎて言葉にならないです。
先輩と島村くんのやり取りがたまらなく好きです。
何かもうどこまでも愛にあふれてる感じがあああああー(語彙)
先輩のこの、ちょっと屈折しながらも基本的には幸福を祈るという姿勢がたまらんです。うおお先輩……!!
そんな二人の間で、あくまで我が道を貫くバー司教の存在にまた癒されるのです。
とにかく先輩幸せになって!!! お願いですから!!!

G09 火球少女
自分の行く道を見据えている青山のかっこよさもさることながら、最初こそ青山に「女である」という壁を感じ、だからこその敗北感に身を焦がしながらも、意識を切りかえ、対等な関係として、彼女の進もうとしている道を一緒に考えてやる正也の姿勢がとても好きです。
彼女が彼女の思いを遂げるための戦いは、正也とは完全には交わることがなくて、もどかしくて、それでも二人の間に生まれた繋がりを信じて、二人の道が続いていくことを祈らずにはいられません。

G10 マイノリティ・レポート
この、完全に「レポート」としての作りに感嘆しました。山に生き、火を運ぶ男たちへの取材という体裁を最初から最後まで崩さない、美しさ。
彼らの足取りを、その生活様式や風習と共に語って、彼らの生きてきた世界を描き出してからの、変化に対する言及と決定的な問い。
答えのない問いは、今ここにいる自分への問いでもある、そんな気がします。上手く言葉にはなりませんが、せめて彼らの運ぶ火が、彼らが彼らであるというアイデンティティが、失われないことを願うばかりです。

G11 イレーネ
空気の重み、身に刻まれた傷の痛み、全てがすぐ目の前まで迫ってくるような凄絶さに息を飲みます。緻密な描写から描き出される悲劇、ものすごい筆力にただただ圧倒されるばかりです……
イレーネお嬢様との出会いは、決して幸福なものではなかったのだと思うのですが、イレーネはハンスの存在にひと時だけでも孤独を癒し、ハンスはそんなイレーネに救われていた。その事実を胸に、ただ、彼女との巡り合いを感謝し、無事を祈るハンス。それはもはや、生きた人間のものではない、どこまでも純化された思いなのかなと思いました。
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2014/09/02 22:12 | 覆面作家企画

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