『デッドライン・アライバル』
著者:ω さま
サークル:イヌノフグリ
ジャンル:現代異能ファンタジー
一瞬ジャンル欄(これいつも青波が適当に書いてます)に「探偵バラバラ本」って書こうとして何とか踏みとどまりました。
だって探偵バラバラ本って作者様も仰っていますし!
※テキレボのウェブカタログには現代異能ファンタジーって書いてあったでしょ青波
こちらは、探偵……に形から入りまくってる、ちょっと奇天烈なお兄さんレオン=アライバルのお話。冒頭の、事件について滔々と語るシーンの展開にめちゃくちゃ笑いました。これは……依頼人も……キレて仕方がない……。誰だってキレます……。
しかし、このアライバル氏、探偵としては超ダメダメなのにめちゃくちゃ優秀な魔術師なんです。一方で、本人は、魔術の世界とは離れた、普通の(殺人事件を扱うような)探偵でありたいらしいのですが。
そんな「探偵でありたい魔術師」としか言いようがない状態の探偵アライバル氏、当然探偵としてのまともな仕事などあるはずもなく、結局のところ魔術師のお仕事で稼ぐしかないという始末。
しかしこのお仕事がまたはちゃめちゃでして、単なる調査解析(ちょっとだけきな臭いけどアライバル氏的には鼻歌レベルの)お仕事と思いきや、とんだ厄ネタを引き当ててしまって……。
この物語の見どころは、何といってもバトルシーンのかっこよさ! です!!
バトルシーンの泥臭さと血腥さ、それでいてスタイリッシュでお洒落な雰囲気。アライバル氏と相手が交わす言葉の軽妙さ、それでいて死をすぐ首筋辺りに感じさせる緊張感。弛緩と緊張の絶妙なバランスが、本当に絶妙で惚れ惚れします。
本文に(俺はびっくり箱じゃないぞ)と内心で呟くアライバル氏ですが、その戦い方はまさしくびっくり箱のようで、何が出てくるかわからない、というわくわく感に満ち溢れています。
それでいて、明らかに格上の相手を前にしながら思考を止めずに活路を探すアライバル氏の足掻きに対し、それすらも笑って受け止める相手のヤバさ。その対比に、背筋のぞくぞくが止まりません。
とにかく、ハラハラドキドキ、そしてわくわくに満ちたバトルシーンを心行くまで堪能しました。
あと確かに探偵バラバラ本でした。読めばわかる。
そして現代の、神秘が失われたように見える世界の影に蠢く魔術師たちや〈神究会〉の面々について、あくまで断片がちらりと見えただけで、まだまだ気になるところがたくさんあります。
後書きではもっとこの世界やアライバル氏の物語を描いてゆきたい、と書かれていたので、続編を心より楽しみにしております。
本当に、かっこよくて心が躍るお話でした。あとオチの一文めちゃくちゃ好きです。
追伸:
なおご本を手に取った最初の感想は「ペルーラにクリアPP……なるほど、赤く染めるとその煌めき、メタル感が重厚さを増すのか……とても素敵……」であったことをここにお伝えいたします。つい、表紙に使っている紙を確認せずにはいられないのは癖のようなものです。いつか真似したい。
著者:ω さま
サークル:イヌノフグリ
ジャンル:現代異能ファンタジー
一瞬ジャンル欄(これいつも青波が適当に書いてます)に「探偵バラバラ本」って書こうとして何とか踏みとどまりました。
だって探偵バラバラ本って作者様も仰っていますし!
※テキレボのウェブカタログには現代異能ファンタジーって書いてあったでしょ青波
こちらは、探偵……に形から入りまくってる、ちょっと奇天烈なお兄さんレオン=アライバルのお話。冒頭の、事件について滔々と語るシーンの展開にめちゃくちゃ笑いました。これは……依頼人も……キレて仕方がない……。誰だってキレます……。
しかし、このアライバル氏、探偵としては超ダメダメなのにめちゃくちゃ優秀な魔術師なんです。一方で、本人は、魔術の世界とは離れた、普通の(殺人事件を扱うような)探偵でありたいらしいのですが。
そんな「探偵でありたい魔術師」としか言いようがない状態の探偵アライバル氏、当然探偵としてのまともな仕事などあるはずもなく、結局のところ魔術師のお仕事で稼ぐしかないという始末。
しかしこのお仕事がまたはちゃめちゃでして、単なる調査解析(ちょっとだけきな臭いけどアライバル氏的には鼻歌レベルの)お仕事と思いきや、とんだ厄ネタを引き当ててしまって……。
この物語の見どころは、何といってもバトルシーンのかっこよさ! です!!
バトルシーンの泥臭さと血腥さ、それでいてスタイリッシュでお洒落な雰囲気。アライバル氏と相手が交わす言葉の軽妙さ、それでいて死をすぐ首筋辺りに感じさせる緊張感。弛緩と緊張の絶妙なバランスが、本当に絶妙で惚れ惚れします。
本文に(俺はびっくり箱じゃないぞ)と内心で呟くアライバル氏ですが、その戦い方はまさしくびっくり箱のようで、何が出てくるかわからない、というわくわく感に満ち溢れています。
それでいて、明らかに格上の相手を前にしながら思考を止めずに活路を探すアライバル氏の足掻きに対し、それすらも笑って受け止める相手のヤバさ。その対比に、背筋のぞくぞくが止まりません。
とにかく、ハラハラドキドキ、そしてわくわくに満ちたバトルシーンを心行くまで堪能しました。
あと確かに探偵バラバラ本でした。読めばわかる。
そして現代の、神秘が失われたように見える世界の影に蠢く魔術師たちや〈神究会〉の面々について、あくまで断片がちらりと見えただけで、まだまだ気になるところがたくさんあります。
後書きではもっとこの世界やアライバル氏の物語を描いてゆきたい、と書かれていたので、続編を心より楽しみにしております。
本当に、かっこよくて心が躍るお話でした。あとオチの一文めちゃくちゃ好きです。
追伸:
なおご本を手に取った最初の感想は「ペルーラにクリアPP……なるほど、赤く染めるとその煌めき、メタル感が重厚さを増すのか……とても素敵……」であったことをここにお伝えいたします。つい、表紙に使っている紙を確認せずにはいられないのは癖のようなものです。いつか真似したい。
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