今日は地元に雨が降ったので、
ウェブ上でも『アメガタリ』を開始したいと思います。
いやまあ、今日は久々に早く帰れて、さくっと更新できるからなのですが(笑)。
この物語は、ある男とある女が織り成す、
とても短い「なんでもない日々」を全部で十五話、連ねていきます。
更新は不定期ですが、結構ハイペースに進めていくつもりです。
え、この前出した本は十四話だったじゃないかって?
……ウェブにはウェブの特典があるということですよ。
そんなわけで、ある雨の日々の物語、『アメガタリ』。
雨の季節の間、楽しんでいただければ幸いです。
ウェブ上でも『アメガタリ』を開始したいと思います。
いやまあ、今日は久々に早く帰れて、さくっと更新できるからなのですが(笑)。
この物語は、ある男とある女が織り成す、
とても短い「なんでもない日々」を全部で十五話、連ねていきます。
更新は不定期ですが、結構ハイペースに進めていくつもりです。
え、この前出した本は十四話だったじゃないかって?
……ウェブにはウェブの特典があるということですよ。
そんなわけで、ある雨の日々の物語、『アメガタリ』。
雨の季節の間、楽しんでいただければ幸いです。
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今回は二つほど更新。
と言っても、今まで下げていたものを復活させたり、ブログのものを正式に上げたりの作業でしたが。笑。
■短編『いまどきの悪魔と私と』追加
こちらは先日行われた「お題バトル」……の、以前参加した会で書いたものです。
先日の作品『マリーシ』は後ほどサイトの方に移動させる予定です。
参加者が出したお題の中からいくつかをチョイスして、一時間で小説を書く、というもの。
なかなか頭がフル回転する、面白い企画です。
この時に書いたものは、以前書いた短編『いまどきのファウスト博士』の続編のような何か。
この二人のぐだぐだな感じ、すごく書いてて楽なんですよね。
ここを見ているかもしれない大学生の方は、真似しちゃだめですよ、本当に。
大体自分がこんな感じだったというのは置いておいて。
■『アイレクスの絵空事』追加
こっそりと追加。
『アイレクスの走馬灯』関連の小説作品を纏めたページです。
走馬灯がいつ完成するかもわからnげふんげふん。
基本的には「ホリィの一人称による小説」が纏められると思います。
その他の関連話は多分『終末の国から』ページ行きになるんじゃないかな……。
その辺はまだ明確には定めていませんが、そんな感じで管理していく予定。
何となくホリィと鈴蘭に関わる話は、『終末の国から』でも結構独立しているところがあるので。
今のところは過去に公開していた走馬灯のテキストデータを公開してますが、『一〇〇一分の一の夜』なんかもこっちに載せていくつもりです。
と言っても、今まで下げていたものを復活させたり、ブログのものを正式に上げたりの作業でしたが。笑。
■短編『いまどきの悪魔と私と』追加
こちらは先日行われた「お題バトル」……の、以前参加した会で書いたものです。
先日の作品『マリーシ』は後ほどサイトの方に移動させる予定です。
参加者が出したお題の中からいくつかをチョイスして、一時間で小説を書く、というもの。
なかなか頭がフル回転する、面白い企画です。
この時に書いたものは、以前書いた短編『いまどきのファウスト博士』の続編のような何か。
この二人のぐだぐだな感じ、すごく書いてて楽なんですよね。
ここを見ているかもしれない大学生の方は、真似しちゃだめですよ、本当に。
大体自分がこんな感じだったというのは置いておいて。
■『アイレクスの絵空事』追加
こっそりと追加。
『アイレクスの走馬灯』関連の小説作品を纏めたページです。
走馬灯がいつ完成するかもわからnげふんげふん。
基本的には「ホリィの一人称による小説」が纏められると思います。
その他の関連話は多分『終末の国から』ページ行きになるんじゃないかな……。
その辺はまだ明確には定めていませんが、そんな感じで管理していく予定。
何となくホリィと鈴蘭に関わる話は、『終末の国から』でも結構独立しているところがあるので。
今のところは過去に公開していた走馬灯のテキストデータを公開してますが、『一〇〇一分の一の夜』なんかもこっちに載せていくつもりです。
お題バトル
『マリーシ』
使用お題:呪文、魔女、故障、ロケット、サイダー、椅子、酒、きょうだい喧嘩
久々に家に帰ってきた兄貴は、椅子を引いてテーブルにつくなり、こう切り出した。
「マリーシは、帰ってこないらしい」
それは、あまりにも突然の報せ。
「ニュースでやってただろう、移民用ロケットが故障したきり、行方不明になったって話。正式発表はされていないが、どうもあの船に、マリーシが乗ってたらしい」
けれど、僕は、全く驚かなかった。
何とはなしに、ここ数日、変な胸騒ぎがしていたのだ。いや、胸騒ぎ、というよりも……何か、大切なものが僕の胸の中から落ちて、空っぽになってしまったような。そんな感覚。
それが、兄貴の言葉で、突然はっきりとした形を帯びた。そうだ、僕の中から消えてしまったのは、確かにマリーシだったのだと、すぐにわかった。
兄貴は、僕には銘柄もわからない琥珀色の酒を、大きな氷の入ったグラスに注ぐ。ボトルの口から流れ落ちる液体が、とくとくと、心地よい音を奏でる。けれど、兄貴の目は、グラスではなくて、はるか遠くを見ていた。
きっと、僕と同じものを、見ていた。
マリーシ。黒髪の魔女。
彼女は僕らの前に突然現れた。白い肌に黒い髪、黒曜石の瞳。まるで女神か天使のような綺麗な姿をした彼女は、実際にはいたずらっぽい、ちいさな悪魔の笑顔をその整った顔に浮かべていた。
彼女がどこから来たのか、どこへ行こうとしていたのか、僕らは最後まで知らなかった。知らなくったって、何も困らなかったから。
そんな彼女はいつだって僕らより少しだけ年上で、僕らより少しだけ背が高くて、僕らより少しだけ色んなことを知っていて、僕らより少しだけ前を歩いていた。
そんな彼女に、僕らは二人で恋をしていた。
酒をちまりちまりと舐める兄貴の前で、僕もサイダーの入ったグラスを傾ける。サイダーは夏の香りで、彼女の香りがした。それでふと、思い出す。
「よく、あの人のことで喧嘩したよね」
「はは、そうだな。酷いもんだった。ロケットを見に行った日のこと、覚えてるか?」
「覚えてるさ」
忘れるはずもない。
ある夏の日、僕らはマリーシに誘われて、ロケットの発射台を見に行って、もうすぐ月の開拓地へ向かうのだというそのロケットの足元で、僕らは大喧嘩をした。
もちろん、原因はマリーシのことだ。その詳しい理由は覚えていないけれど、結局のところ、兄貴がマリーシを独り占めしようとしているのが気に食わなかった、ただそれだけのことだったと思う。
だけど、いつもなら軽い言い合いで終わるはずの喧嘩は、簡単には終わってくれなくて。マリーシの前だったというのに、殴り合いにまで発展しそうになっていた。いや、マリーシの前だったから、かもしれない。とにかく、僕も兄貴も、どうにも引っ込みがつかなくなっていて。
そんな僕らの間に、マリーシは、いつものいたずらっぽい笑みを浮かべて、割って入ったのだ。きらめく黒曜石の瞳が、僕と兄貴の真っ赤になった顔を覗き込んで。
「ねえ、何で二人とも、そんなに不機嫌さんなのさ?」
まさか「君が好きなせい」だなんて、口が裂けても言えるはずもなくて。思わず黙りこくってしまう僕らを見て、マリーシは透き通った声で笑ったんだ。雲一つない青い空にまで届きそうな、澄み切った声だった。
ひとしきり笑ったマリーシは、口元で細い指を揺らして、言ったのだ。
「もったいない、もったいないよ。今日はこんなにいい天気、こんなにいい場所だってのに。そんなに不機嫌さんじゃあ、私までやーな気分になっちゃうよ」
だから、と。僕と兄貴の頭を掴んで。耳元で、僕らにはわからない言葉を、そっと囁いた。その吐息は、甘く爽やかな香りがした。それは、きっと、彼女が直前まで飲んでいた、サイダーの香りだったのだろうけど。
一体何なんだ、と首を傾げる兄貴に、マリーシはにっと歯を見せて笑った。
「仲良しの呪文!」
きょとんとして、僕は思わず兄貴と顔を見合わせてしまう。そして、その時には、あれだけどうしようもなく膨れ上がってた兄貴への怒りが、すっかりしぼんでしまっていたことに気づいた。
目を白黒させる僕らを見て、また、マリーシは笑った。
それで、僕らもつられて、笑ってしまったのだと、思い出す。
「懐かしいな」
兄貴の言葉と、からん、というグラスに氷が触れる音で、僕の意識は現実に引き戻される。マリーシのいない世界。でも、僕の心は不思議と穏やかで、ただ、マリーシの透き通った声だけが、頭の奥に響き続けている。
兄貴も、そう、きっと、そんな顔をしていた。
「兄貴、落ち着いてるね」
「何となくな、そんな気がしてたんだ」
「僕もだよ」
不思議だな、と。兄貴は笑った。僕もつい、笑ってしまった。
マリーシはもう、二度と僕らの前には帰ってこない。どこから来たのかわからなかった魔女は、僕らの手の届かない場所に消えてしまった。
けれど、マリーシが僕らにかけた「仲良しの呪文」は、今だって有効だ。
椅子から立って、カーテンを開ける。窓の外では、彼女が目指した大きな月が、僕らを見下ろしていた。
『マリーシ』
使用お題:呪文、魔女、故障、ロケット、サイダー、椅子、酒、きょうだい喧嘩
久々に家に帰ってきた兄貴は、椅子を引いてテーブルにつくなり、こう切り出した。
「マリーシは、帰ってこないらしい」
それは、あまりにも突然の報せ。
「ニュースでやってただろう、移民用ロケットが故障したきり、行方不明になったって話。正式発表はされていないが、どうもあの船に、マリーシが乗ってたらしい」
けれど、僕は、全く驚かなかった。
何とはなしに、ここ数日、変な胸騒ぎがしていたのだ。いや、胸騒ぎ、というよりも……何か、大切なものが僕の胸の中から落ちて、空っぽになってしまったような。そんな感覚。
それが、兄貴の言葉で、突然はっきりとした形を帯びた。そうだ、僕の中から消えてしまったのは、確かにマリーシだったのだと、すぐにわかった。
兄貴は、僕には銘柄もわからない琥珀色の酒を、大きな氷の入ったグラスに注ぐ。ボトルの口から流れ落ちる液体が、とくとくと、心地よい音を奏でる。けれど、兄貴の目は、グラスではなくて、はるか遠くを見ていた。
きっと、僕と同じものを、見ていた。
マリーシ。黒髪の魔女。
彼女は僕らの前に突然現れた。白い肌に黒い髪、黒曜石の瞳。まるで女神か天使のような綺麗な姿をした彼女は、実際にはいたずらっぽい、ちいさな悪魔の笑顔をその整った顔に浮かべていた。
彼女がどこから来たのか、どこへ行こうとしていたのか、僕らは最後まで知らなかった。知らなくったって、何も困らなかったから。
そんな彼女はいつだって僕らより少しだけ年上で、僕らより少しだけ背が高くて、僕らより少しだけ色んなことを知っていて、僕らより少しだけ前を歩いていた。
そんな彼女に、僕らは二人で恋をしていた。
酒をちまりちまりと舐める兄貴の前で、僕もサイダーの入ったグラスを傾ける。サイダーは夏の香りで、彼女の香りがした。それでふと、思い出す。
「よく、あの人のことで喧嘩したよね」
「はは、そうだな。酷いもんだった。ロケットを見に行った日のこと、覚えてるか?」
「覚えてるさ」
忘れるはずもない。
ある夏の日、僕らはマリーシに誘われて、ロケットの発射台を見に行って、もうすぐ月の開拓地へ向かうのだというそのロケットの足元で、僕らは大喧嘩をした。
もちろん、原因はマリーシのことだ。その詳しい理由は覚えていないけれど、結局のところ、兄貴がマリーシを独り占めしようとしているのが気に食わなかった、ただそれだけのことだったと思う。
だけど、いつもなら軽い言い合いで終わるはずの喧嘩は、簡単には終わってくれなくて。マリーシの前だったというのに、殴り合いにまで発展しそうになっていた。いや、マリーシの前だったから、かもしれない。とにかく、僕も兄貴も、どうにも引っ込みがつかなくなっていて。
そんな僕らの間に、マリーシは、いつものいたずらっぽい笑みを浮かべて、割って入ったのだ。きらめく黒曜石の瞳が、僕と兄貴の真っ赤になった顔を覗き込んで。
「ねえ、何で二人とも、そんなに不機嫌さんなのさ?」
まさか「君が好きなせい」だなんて、口が裂けても言えるはずもなくて。思わず黙りこくってしまう僕らを見て、マリーシは透き通った声で笑ったんだ。雲一つない青い空にまで届きそうな、澄み切った声だった。
ひとしきり笑ったマリーシは、口元で細い指を揺らして、言ったのだ。
「もったいない、もったいないよ。今日はこんなにいい天気、こんなにいい場所だってのに。そんなに不機嫌さんじゃあ、私までやーな気分になっちゃうよ」
だから、と。僕と兄貴の頭を掴んで。耳元で、僕らにはわからない言葉を、そっと囁いた。その吐息は、甘く爽やかな香りがした。それは、きっと、彼女が直前まで飲んでいた、サイダーの香りだったのだろうけど。
一体何なんだ、と首を傾げる兄貴に、マリーシはにっと歯を見せて笑った。
「仲良しの呪文!」
きょとんとして、僕は思わず兄貴と顔を見合わせてしまう。そして、その時には、あれだけどうしようもなく膨れ上がってた兄貴への怒りが、すっかりしぼんでしまっていたことに気づいた。
目を白黒させる僕らを見て、また、マリーシは笑った。
それで、僕らもつられて、笑ってしまったのだと、思い出す。
「懐かしいな」
兄貴の言葉と、からん、というグラスに氷が触れる音で、僕の意識は現実に引き戻される。マリーシのいない世界。でも、僕の心は不思議と穏やかで、ただ、マリーシの透き通った声だけが、頭の奥に響き続けている。
兄貴も、そう、きっと、そんな顔をしていた。
「兄貴、落ち着いてるね」
「何となくな、そんな気がしてたんだ」
「僕もだよ」
不思議だな、と。兄貴は笑った。僕もつい、笑ってしまった。
マリーシはもう、二度と僕らの前には帰ってこない。どこから来たのかわからなかった魔女は、僕らの手の届かない場所に消えてしまった。
けれど、マリーシが僕らにかけた「仲良しの呪文」は、今だって有効だ。
椅子から立って、カーテンを開ける。窓の外では、彼女が目指した大きな月が、僕らを見下ろしていた。
『虫めづる』
著者:良崎歓 さま
サイト:SIREN
ジャンル:現代学園恋愛
昆虫って、いいですよね……!
このお話は、虫をこよなく愛する少年「彼」と、そんな少年に寄り添う少女「彼女」のやり取りを綴ったツイッター小説を纏めたものです。
この二人のやり取りが、本当に、きゅんきゅんするのです。
相思相愛な二人なのですが、何しろ虫が大好きで仕方ない「彼」のこと、会話はとにかく虫の話題を交えて進んでゆきます。
それは「彼」なりの照れ隠しでもあったりするのですが、そんな「彼」の思いをひとつひとつ、丁寧に、時に大胆に汲み取っていく「彼女」。
百四十文字という文章で綴られていく二人の時間は、とてもゆったりとしていて、でも、確かに季節は移り変わっていって。「彼」と「彼女」の過ごし方も季節と一緒に変わり行くのと同時に、四季と虫との切っても切れない繋がりを感じずにはいられません。
また、ほとんどの話にはそのエピソードにまつわる虫の名前と分類が表記されていて、「これはわかるわかる」とか、「こういう特徴だったのか」とか、虫好きにはたまらんつくりになっております。
是非「彼」ではないですが、昆虫図鑑片手に!(ぐっ)
特にウスバキトンボは自分でも扱ったことのあるエピソードなので、何かこう、来るものがありますよね……。
しかし本当に「彼」が愛しいです。
オニヤンマが好きで、眼鏡のフレームがオニヤンマの目の色と同じ青緑色とか、もう、もうね! キュンとしないわけないですよね! というトンボ好き青波(←)。
あと「彼女」と身長差があんまりないところとか、虫の話以外に関しては極めて不器用なところとか、本当に、自分のツボをどれだけつけばいいんですか!
でもきっと、どれだけ「彼」が好きでも、「彼女」のようにはなれないなあ、とも思うのです。
「彼女」は、決して虫に詳しくなく、知らないことばかりで。でも「彼」のことを知りたい、「彼」と同じ場所に立っていたい、というひたむきな思いをもって「彼」を見つめていて。
そんな「彼女」だからこそ、「彼」は「彼女」の存在に救われていて、そして「彼女」を愛し続けているのだ、ひとつひとつの短いセンテンスの中からもはっきりと浮かび上がってくるのです。
この二人の関係性は、もはや切っても切れないものなんだなあ、と。
優しい気持ちで二人を見守っているような、そんな感覚で読み進められる、とても素敵な青春物語です。
著者:良崎歓 さま
サイト:SIREN
ジャンル:現代学園恋愛
昆虫って、いいですよね……!
このお話は、虫をこよなく愛する少年「彼」と、そんな少年に寄り添う少女「彼女」のやり取りを綴ったツイッター小説を纏めたものです。
この二人のやり取りが、本当に、きゅんきゅんするのです。
相思相愛な二人なのですが、何しろ虫が大好きで仕方ない「彼」のこと、会話はとにかく虫の話題を交えて進んでゆきます。
それは「彼」なりの照れ隠しでもあったりするのですが、そんな「彼」の思いをひとつひとつ、丁寧に、時に大胆に汲み取っていく「彼女」。
百四十文字という文章で綴られていく二人の時間は、とてもゆったりとしていて、でも、確かに季節は移り変わっていって。「彼」と「彼女」の過ごし方も季節と一緒に変わり行くのと同時に、四季と虫との切っても切れない繋がりを感じずにはいられません。
また、ほとんどの話にはそのエピソードにまつわる虫の名前と分類が表記されていて、「これはわかるわかる」とか、「こういう特徴だったのか」とか、虫好きにはたまらんつくりになっております。
是非「彼」ではないですが、昆虫図鑑片手に!(ぐっ)
特にウスバキトンボは自分でも扱ったことのあるエピソードなので、何かこう、来るものがありますよね……。
しかし本当に「彼」が愛しいです。
オニヤンマが好きで、眼鏡のフレームがオニヤンマの目の色と同じ青緑色とか、もう、もうね! キュンとしないわけないですよね! というトンボ好き青波(←)。
あと「彼女」と身長差があんまりないところとか、虫の話以外に関しては極めて不器用なところとか、本当に、自分のツボをどれだけつけばいいんですか!
でもきっと、どれだけ「彼」が好きでも、「彼女」のようにはなれないなあ、とも思うのです。
「彼女」は、決して虫に詳しくなく、知らないことばかりで。でも「彼」のことを知りたい、「彼」と同じ場所に立っていたい、というひたむきな思いをもって「彼」を見つめていて。
そんな「彼女」だからこそ、「彼」は「彼女」の存在に救われていて、そして「彼女」を愛し続けているのだ、ひとつひとつの短いセンテンスの中からもはっきりと浮かび上がってくるのです。
この二人の関係性は、もはや切っても切れないものなんだなあ、と。
優しい気持ちで二人を見守っているような、そんな感覚で読み進められる、とても素敵な青春物語です。
『概念部 1巻』
著者:伊織 さま、相沢ナナコ さま
サークル:兎角毒苺團
ジャンル:現代学園もの?
サークル「兎角毒苺團」は、とにかく机上の配置や装丁がいつも美しく、いつも立ち止まっては見とれてしまいます。不思議の詰まった玩具箱のような、そんな印象です。
進化する本『ドラゴナイト擬典』もこの前の超文学フリマで始めて手にとってみたのですが、本当に素敵な発想だなあ、と惚れ惚れしてしまいます。木の表紙に、一部が焦げおちたような紙。中身はほとんど読めなかったのですが、一度じっくり読み込んでみたいです。
今回は、その中でひときわシンプルな表紙が目を引く『概念部』という本を購入させていただきました。
黒地に校章(ですよね?)の金色のスタンプが映える本。そして、購入したら「部外秘」というスタンプが押された封筒をいただきました。
物語は、文化系部活がやたら強い学校、私立文聖学園高等部が舞台。その中でも「概念部」と呼ばれる不思議な部活に所属する、部長、副部長、桜井の三人を中心とした物語が二編、収録されています。どちらも、不思議な場所で途切れていて、二巻に続く形になっているのでしょうか。先が気になります。
(封筒の中にもう一編、何とはなしに不穏さを漂わせるお話が入っていましたが、部外秘なのでここでは割愛)
一編目「シュレディンガーの歯車」は、不思議な味わいの一編。
部長・神戸が迷い込んだ奇妙な世界と、彼に起こった出来事の発端……なわけですが。果たして、これはどう展開するものなのでしょうか。そして、明らかにおかしな事態に巻き込まれているのに落ち着き払った部長と、そこにいる人々との噛み合ってるような噛み合ってないようなやり取りに、ふっと肩の力が抜けます。
これから一体どう物語が転がっていくのかと、やきもきして仕方ない一編でした。
二編目「私立文聖学園概念部・学園祭の波紋」は学園祭の一日目を舞台にしたお話。
入れ替わり立ち替わり入ってくる文化部の面々の描写がとにかく愉快。個人的にはBL部の部長にニヤニヤして仕方ないです酷いなこいつ。
何だか、自分も文化系がそれなりに強い上に、謎の部活に所属していたので(この物語の中では「一次創作部」と「卓上ゲーム部」を足して二で割ったものと考えるのが近い)、すごくこの景色を懐かしいなあ、と思いながら眺めてしまいました。いちいち献本を受け取る七尾氏の態度もまたよいのですよな……。
そして、ついに登場した『概念戦闘』。これは……酷い……!(笑) いやまあ、相手が相手だからなのですが、これ、実際に戦闘ルールを理解している者同士だとどんな戦いが繰り広げられるのでしょうか。その描写が楽しみです。
封筒の中身も含めての感想なのですが、何とはなしに、文化祭の風景の中にもかすかな摩擦が溶け込んでいて。それらがこれからどう発展していってしまうのか。続きが楽しみです。
あと「いつでもシーフ/ガンスリンガーとブラムストーカー/バロールのクラスは空けていますので」っていう卓上ゲーム部長の台詞に不覚にも吹きました。絶対からめ手キャラだこれ……。
軽快な筆致に導かれ、少年たちの喧騒に懐かしい気分にさせられる、そんな二編。
続きが楽しみなのですが……二巻は存在するのでしょうか。この前は卓上になかったような気がするのですが……。気になります。とても気になります。
著者:伊織 さま、相沢ナナコ さま
サークル:兎角毒苺團
ジャンル:現代学園もの?
サークル「兎角毒苺團」は、とにかく机上の配置や装丁がいつも美しく、いつも立ち止まっては見とれてしまいます。不思議の詰まった玩具箱のような、そんな印象です。
進化する本『ドラゴナイト擬典』もこの前の超文学フリマで始めて手にとってみたのですが、本当に素敵な発想だなあ、と惚れ惚れしてしまいます。木の表紙に、一部が焦げおちたような紙。中身はほとんど読めなかったのですが、一度じっくり読み込んでみたいです。
今回は、その中でひときわシンプルな表紙が目を引く『概念部』という本を購入させていただきました。
黒地に校章(ですよね?)の金色のスタンプが映える本。そして、購入したら「部外秘」というスタンプが押された封筒をいただきました。
物語は、文化系部活がやたら強い学校、私立文聖学園高等部が舞台。その中でも「概念部」と呼ばれる不思議な部活に所属する、部長、副部長、桜井の三人を中心とした物語が二編、収録されています。どちらも、不思議な場所で途切れていて、二巻に続く形になっているのでしょうか。先が気になります。
(封筒の中にもう一編、何とはなしに不穏さを漂わせるお話が入っていましたが、部外秘なのでここでは割愛)
一編目「シュレディンガーの歯車」は、不思議な味わいの一編。
部長・神戸が迷い込んだ奇妙な世界と、彼に起こった出来事の発端……なわけですが。果たして、これはどう展開するものなのでしょうか。そして、明らかにおかしな事態に巻き込まれているのに落ち着き払った部長と、そこにいる人々との噛み合ってるような噛み合ってないようなやり取りに、ふっと肩の力が抜けます。
これから一体どう物語が転がっていくのかと、やきもきして仕方ない一編でした。
二編目「私立文聖学園概念部・学園祭の波紋」は学園祭の一日目を舞台にしたお話。
入れ替わり立ち替わり入ってくる文化部の面々の描写がとにかく愉快。個人的にはBL部の部長にニヤニヤして仕方ないです酷いなこいつ。
何だか、自分も文化系がそれなりに強い上に、謎の部活に所属していたので(この物語の中では「一次創作部」と「卓上ゲーム部」を足して二で割ったものと考えるのが近い)、すごくこの景色を懐かしいなあ、と思いながら眺めてしまいました。いちいち献本を受け取る七尾氏の態度もまたよいのですよな……。
そして、ついに登場した『概念戦闘』。これは……酷い……!(笑) いやまあ、相手が相手だからなのですが、これ、実際に戦闘ルールを理解している者同士だとどんな戦いが繰り広げられるのでしょうか。その描写が楽しみです。
封筒の中身も含めての感想なのですが、何とはなしに、文化祭の風景の中にもかすかな摩擦が溶け込んでいて。それらがこれからどう発展していってしまうのか。続きが楽しみです。
あと「いつでもシーフ/ガンスリンガーとブラムストーカー/バロールのクラスは空けていますので」っていう卓上ゲーム部長の台詞に不覚にも吹きました。絶対からめ手キャラだこれ……。
軽快な筆致に導かれ、少年たちの喧騒に懐かしい気分にさせられる、そんな二編。
続きが楽しみなのですが……二巻は存在するのでしょうか。この前は卓上になかったような気がするのですが……。気になります。とても気になります。