お待たせしましたあああああああああ
『空色少年物語』に本編「24:ノーグ・カーティス(1)」追加しました!
タイトルがついにそこまで来たかっていう感じですが!
でもそいつが出てくるのはもうちょい先ですすみません。
とりあえず、次の更新に間に合わせられるように頑張ります……頑張ります……。
『空色少年物語』に本編「24:ノーグ・カーティス(1)」追加しました!
タイトルがついにそこまで来たかっていう感じですが!
でもそいつが出てくるのはもうちょい先ですすみません。
とりあえず、次の更新に間に合わせられるように頑張ります……頑張ります……。
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何となくツイッターでぽちぽち書いてた、いつか書きたい現代ミステリサスペンスもの『ネコバコ(仮)』の八束と南雲の台詞まとめ。
地味に甘味のあの二人よりよっぽどいちゃいちゃしてないかお前ら……!?
ちなみに時々増えます。
「その帽子、どうしたんですか?」
「最近編み物にはまってさ」
「自分で編んだんですか!?」
■南雲は手芸が得意です
「毛根が瞬きするたびに死滅すればいいんです」
「ごめんなさい」
■髪の毛ネタで攻めると効果的
「何座り込んじゃってんの」
「こ、腰が抜けちゃいましてっ」
「さっきまで大立ち回り演じてた奴と同一人物とは思えないねえ。立てる?」
「ありがとうございます……あの」
「なあに?」
「手、冷たいんですね」
「…………」
「ごめんなさい、変なこと言いましたか」
「いや、意識することも忘れてただけ」
■多分これが長いものでは最初? 他の記述が見つからない……。
「俺の前世はきっとカタツムリだったんだ」
「何言ってるんですか」
「だから今から立派なカタツムリになるのよ、止めるなヤツヅカ」
「ナグモさん、人間であることを放棄しないでください」
■突然のカタツムリ宣言
「何で俺は自分の部屋を背負ってないのかしら。好きな時に引きこもってごろごろしたり、ごろごろしたり、あとごろごろしたりできないのかしら」
「ナグモさんのやる気スイッチが見当たらない!」
■そんなもの最初からなかった
「ナグモさん、ハロウィンですよ!」
「ハロウィンだねぇ。トリックオアトリート。とりあえず菓子を俺にください」
「それ、ナグモさん的にはいつものことじゃないですか」
■そうだね
「ハロウィンはいいものだよ、ヤツヅカ。普段ならなかなか手に入らない、カボチャ味のお菓子もたくさん食べられるし」
「バレンタインの時も同じようなこと言ってませんでしたっけ、『普通には店においてない生チョコがこの時期だけは食べ放題』とか」
「日本がこういう国でよかったなぁと心から思うよ」
■南雲の持論
「トリックオアトリートって、『お菓子くれなきゃいたずらするぞ』って意味ですよね? お菓子なかったら何されちゃうんですか」
「……お前の髪の毛を心行くまでもしゃもしゃしてやる」
「それもいつものことじゃないですかっ!」
■南雲は八束の髪の毛もしゃもしゃするのが日課。
「ヤツヅカ」
「何ですかナグモさん」
「早く背負う炬燵開発されないかな」
「本当にかたつむりになる気ですか」
■どこまでも前世はかたつむり(自称)。
「寒いのは嫌だ。暑いのも嫌だ。つまり俺は部屋から出たくない」
「ダメだこの人!」
「ヤツヅカがいれば大丈夫だよー」
「……このチュッパツリーがどうなってもいいんですね」
「すみません行きます」
「お願いします」
■チュッパツリーってこれな。南雲のデスクの上においてある。
「ナグモさん」
「なーに?」
「もしゃもしゃするのやめてください」
「…………」
「…………」
「やめない」
「やめてください」
■だからといって南雲は、八束に頭をすべすべすることを許しているわけじゃない。
「もっと身だしなみには気を使った方がいいよ、ヤツヅカはかわいいんだから」
「ナグモさん」
「何?」
「真顔で恥ずかしいこと言うのやめてください」
「笑顔で言えばよかった?」
「そうじゃないです」
■まあ笑顔なんて作れないけどね。
「鍋は?」
「ありません」
「どうやって自炊してんの」
「してません」
「は?」
「一日の栄養はカロリーメイトと野菜ジュースとサプリメントで事足ります」
「八束」
「はい」
「食事ってのはそういうもんじゃねえんだよおおお!」
「な、南雲さんが、大声出すの初めて見ました……」
「誰のせいだ!」
■実のところ南雲は料理全般が得意です。hshs参照。
前に書いた「小林巽の隣の部屋から怖い人がやってきた話」に続く。
「お隣の小林から桃缶貰った。後でお前からもお礼言っときなよ」
「は、はい」
「白桃と黄桃があるけど、八束はどっちが好き?」
「ええと、どっちも嫌いじゃないです」
「じゃあ黄桃開けるか」
「…………」
「…………」
「あの、食べたければ南雲さんも食べていいですよ」
「いただきます」
■甘いものなら何でもいいのです。
以下は八束と南雲じゃないけどおまけ
地味に甘味のあの二人よりよっぽどいちゃいちゃしてないかお前ら……!?
ちなみに時々増えます。
「その帽子、どうしたんですか?」
「最近編み物にはまってさ」
「自分で編んだんですか!?」
■南雲は手芸が得意です
「毛根が瞬きするたびに死滅すればいいんです」
「ごめんなさい」
■髪の毛ネタで攻めると効果的
「何座り込んじゃってんの」
「こ、腰が抜けちゃいましてっ」
「さっきまで大立ち回り演じてた奴と同一人物とは思えないねえ。立てる?」
「ありがとうございます……あの」
「なあに?」
「手、冷たいんですね」
「…………」
「ごめんなさい、変なこと言いましたか」
「いや、意識することも忘れてただけ」
■多分これが長いものでは最初? 他の記述が見つからない……。
「俺の前世はきっとカタツムリだったんだ」
「何言ってるんですか」
「だから今から立派なカタツムリになるのよ、止めるなヤツヅカ」
「ナグモさん、人間であることを放棄しないでください」
■突然のカタツムリ宣言
「何で俺は自分の部屋を背負ってないのかしら。好きな時に引きこもってごろごろしたり、ごろごろしたり、あとごろごろしたりできないのかしら」
「ナグモさんのやる気スイッチが見当たらない!」
■そんなもの最初からなかった
「ナグモさん、ハロウィンですよ!」
「ハロウィンだねぇ。トリックオアトリート。とりあえず菓子を俺にください」
「それ、ナグモさん的にはいつものことじゃないですか」
■そうだね
「ハロウィンはいいものだよ、ヤツヅカ。普段ならなかなか手に入らない、カボチャ味のお菓子もたくさん食べられるし」
「バレンタインの時も同じようなこと言ってませんでしたっけ、『普通には店においてない生チョコがこの時期だけは食べ放題』とか」
「日本がこういう国でよかったなぁと心から思うよ」
■南雲の持論
「トリックオアトリートって、『お菓子くれなきゃいたずらするぞ』って意味ですよね? お菓子なかったら何されちゃうんですか」
「……お前の髪の毛を心行くまでもしゃもしゃしてやる」
「それもいつものことじゃないですかっ!」
■南雲は八束の髪の毛もしゃもしゃするのが日課。
「ヤツヅカ」
「何ですかナグモさん」
「早く背負う炬燵開発されないかな」
「本当にかたつむりになる気ですか」
■どこまでも前世はかたつむり(自称)。
「寒いのは嫌だ。暑いのも嫌だ。つまり俺は部屋から出たくない」
「ダメだこの人!」
「ヤツヅカがいれば大丈夫だよー」
「……このチュッパツリーがどうなってもいいんですね」
「すみません行きます」
「お願いします」
■チュッパツリーってこれな。南雲のデスクの上においてある。
「ナグモさん」
「なーに?」
「もしゃもしゃするのやめてください」
「…………」
「…………」
「やめない」
「やめてください」
■だからといって南雲は、八束に頭をすべすべすることを許しているわけじゃない。
「もっと身だしなみには気を使った方がいいよ、ヤツヅカはかわいいんだから」
「ナグモさん」
「何?」
「真顔で恥ずかしいこと言うのやめてください」
「笑顔で言えばよかった?」
「そうじゃないです」
■まあ笑顔なんて作れないけどね。
「鍋は?」
「ありません」
「どうやって自炊してんの」
「してません」
「は?」
「一日の栄養はカロリーメイトと野菜ジュースとサプリメントで事足ります」
「八束」
「はい」
「食事ってのはそういうもんじゃねえんだよおおお!」
「な、南雲さんが、大声出すの初めて見ました……」
「誰のせいだ!」
■実のところ南雲は料理全般が得意です。hshs参照。
前に書いた「小林巽の隣の部屋から怖い人がやってきた話」に続く。
「お隣の小林から桃缶貰った。後でお前からもお礼言っときなよ」
「は、はい」
「白桃と黄桃があるけど、八束はどっちが好き?」
「ええと、どっちも嫌いじゃないです」
「じゃあ黄桃開けるか」
「…………」
「…………」
「あの、食べたければ南雲さんも食べていいですよ」
「いただきます」
■甘いものなら何でもいいのです。
以下は八束と南雲じゃないけどおまけ
最近、仕事がちょっと忙しいせいか、休みの日にやる気を失う症状に悩まされています。
まあ、こういう時はあまり自分を追い詰めずのんびりゴッドイーター2でもやってます。
下手くそですが楽しいです。まずはのったりとストーリーを進めるターン。
というわけで、空色は確認に時間がかかっているのでこっちでお茶を濁します。
『音律歴程』の「The Five Black Keys」本編「造花」を追加しました。
音律はのったりと更新していけたらいいなあ、と思っておりますです。
隼は書きやすいんですが、どういう人物なのかは自分でもよくわかってない(おーい)。
あと、『音律歴程』は試験的に「小説家になろう」さんにも投稿してます。(こちら)
どちらでも、読みやすい方で読んでいただければと思っております。
まあ、こういう時はあまり自分を追い詰めずのんびりゴッドイーター2でもやってます。
下手くそですが楽しいです。まずはのったりとストーリーを進めるターン。
というわけで、空色は確認に時間がかかっているのでこっちでお茶を濁します。
『音律歴程』の「The Five Black Keys」本編「造花」を追加しました。
音律はのったりと更新していけたらいいなあ、と思っておりますです。
隼は書きやすいんですが、どういう人物なのかは自分でもよくわかってない(おーい)。
あと、『音律歴程』は試験的に「小説家になろう」さんにも投稿してます。(こちら)
どちらでも、読みやすい方で読んでいただければと思っております。
『EDまで病むんじゃない2』
著者:こくまろ さま
サークル:漢字中央警備システム
ジャンル:不条理ゲーマーブラックコメディ
ジャンルは自分が勝手にそう思っているだけですが、多分大体こんな感じです。
実は以前こっそり前作にも感想を書いていたりします。
ゲーマーでなくてもおそらく不条理っぷりに引きつった笑いを浮かべ、ゲーマーなら尚更そのゲーマーとしてのカルマに頭を抱える、そんなゲームに関するコメディの第二巻です。
もちろん、前回に引き続き新旧ゲームの小ネタも満載。今回も本文に出てきた用語や台詞のネタ解説リストもついてまいりました。このリストを小説と並べて読むのが前回からの楽しみであります。知っていれば「やっぱり」とにやりとし、知らなくても「こんなのもあるのか」とにやりとせずにはいられません。
ひとまず私は「俺は悪くねえっ! 俺は悪くねぇっ!!」にむせました。そこでその台詞は卑怯。
さて、ストーリーですが、前回もまあとことん酷かったのですが、今回はある意味それに輪をかけて酷いことになっております。
この話に関しては「酷い」は褒め言葉であると信じてやみません。
初っ端から怪しいにもほどがあるレースゲームとシューティングゲーム。
そして、何故シ○シティみたいになってるんですか、恋愛シミュレーションゲーム……?
しかも恋愛ものなのに対戦モードもありまして、今回はその「対戦」が最大の見所となります。
相変わらずゲーム内ヒロインが最低です。最低どころか人としてクズです。巫女ってどういう職業でしたっけ。
しかしそんなヒロインを落とすゲームにはまってしまった新担任(いい女)にほいほいついて行ってしまった主人公ネッキー。
そりゃあ、ろくなことになるはずがありません。というかこの先生も大概最低です。
それでも、付き合っちゃう(というか付き合わざるを得なくなる)のが我らがネッキー。
ゲーマーとしての勘をフル動員しながら、先生もといダメ人間と共に、思わぬ対戦相手との戦いに挑みます。
ゲームとして、かなり面白そうかな、と思えてしまう辺りが凄いです。
最後には微妙に感動してしまうシーンが待っているあたりもまた……。
しかしそのゲームをプレイした先に待っているものを考えると、遠い目をしてしまいます。
どうしてあんなゲームをプレイしてしまうのでしょう。わかりません。わかりません。
しかしそれが、ゲーマーの性、ってやつなのかもしれません。こわい。
相変わらずの、悪意の塊っぷりに笑わせていただきました!
とりあえずヒールマンは許さないよ。
著者:こくまろ さま
サークル:漢字中央警備システム
ジャンル:不条理ゲーマーブラックコメディ
ジャンルは自分が勝手にそう思っているだけですが、多分大体こんな感じです。
実は以前こっそり前作にも感想を書いていたりします。
ゲーマーでなくてもおそらく不条理っぷりに引きつった笑いを浮かべ、ゲーマーなら尚更そのゲーマーとしてのカルマに頭を抱える、そんなゲームに関するコメディの第二巻です。
もちろん、前回に引き続き新旧ゲームの小ネタも満載。今回も本文に出てきた用語や台詞のネタ解説リストもついてまいりました。このリストを小説と並べて読むのが前回からの楽しみであります。知っていれば「やっぱり」とにやりとし、知らなくても「こんなのもあるのか」とにやりとせずにはいられません。
ひとまず私は「俺は悪くねえっ! 俺は悪くねぇっ!!」にむせました。そこでその台詞は卑怯。
さて、ストーリーですが、前回もまあとことん酷かったのですが、今回はある意味それに輪をかけて酷いことになっております。
この話に関しては「酷い」は褒め言葉であると信じてやみません。
初っ端から怪しいにもほどがあるレースゲームとシューティングゲーム。
そして、何故シ○シティみたいになってるんですか、恋愛シミュレーションゲーム……?
しかも恋愛ものなのに対戦モードもありまして、今回はその「対戦」が最大の見所となります。
相変わらずゲーム内ヒロインが最低です。最低どころか人としてクズです。巫女ってどういう職業でしたっけ。
しかしそんなヒロインを落とすゲームにはまってしまった新担任(いい女)にほいほいついて行ってしまった主人公ネッキー。
そりゃあ、ろくなことになるはずがありません。というかこの先生も大概最低です。
それでも、付き合っちゃう(というか付き合わざるを得なくなる)のが我らがネッキー。
ゲーマーとしての勘をフル動員しながら、先生もといダメ人間と共に、思わぬ対戦相手との戦いに挑みます。
ゲームとして、かなり面白そうかな、と思えてしまう辺りが凄いです。
最後には微妙に感動してしまうシーンが待っているあたりもまた……。
しかしそのゲームをプレイした先に待っているものを考えると、遠い目をしてしまいます。
どうしてあんなゲームをプレイしてしまうのでしょう。わかりません。わかりません。
しかしそれが、ゲーマーの性、ってやつなのかもしれません。こわい。
相変わらずの、悪意の塊っぷりに笑わせていただきました!
とりあえずヒールマンは許さないよ。
『世界再生の書物と一つの楽園』
著者:秋山真琴 さま
サークル:雲上回廊
ジャンル:遠未来学園異能SFファンタジー
著者の秋山真琴さんには色々とお世話になっているのですが(過去ログ参照)、実際に秋山さんのお話を拝読するのはこれが初めてであることに今更気づきました。
青波、地味にアンソロジーは苦手で、単独のものばかり買っているもので……。
遠い未来、人間が量子化を済ませ、荒廃した地上を見捨てて天上のコンピュータ上に生きている、そんな時代のお話。
地上のネットワーク上に存在する、六つの学園からなる仮想空間の「楽園」には、天上から己の情報を伏せて学園生活を送る「学生」たちが生きている。
そんな中、唯一、自分についての情報を完全に欠落した、つまりこの世界にはありえない「記憶喪失」の少年が現れたことから物語が始まる……。
上記のような舞台設定を聞いた瞬間に、胸を撃ち抜かれた気分でした。
仮想空間を舞台にした物語が好きで好きでたまらないSFファンタジー屋には、ドツボな設定であります。
また、表紙の空の青さ、そこに立つ少年少女の姿に止めを刺されて、速攻で購入を決定しました。
空の青さには、弱いのです。それが仮に、かりそめのものであったとしても。むしろ、かりそめである方が燃えるというものです。
そして、実際に本を紐解いてみれば、本いっぱいに広がる「学園」の情景と、学園に生きる個性的な生徒たちのやり取りから目が離せなくなります。
ジャンルの欄にもあるとおり、この物語は、上記のような設定を意識せずとも、夢中になって楽しめる異能ファンタジィバトルものなのです。読者である私たちは、難しく考えることなく、記憶喪失の主人公と共にすうっと、学園内で繰り広げられるとある「戦い」の只中に入り込んでいくことになります。
「クラス対抗レクリエーション」と銘打たれたそれは、とある一つの「書物」を、各クラスの代表者たちが己の能力を駆使して奪い合う、というものです。その「書物」を手にした者は、己の願いを一つだけ叶えられるのだ、といって。
この彼らの振るう「能力」である「ギフト」が、能力バトルもの大好きな自分はわくわくして仕方ありません。
特にA組代表のメイドを率いたお嬢様、工藤十和子さんの能力がものすごく好みなのですが、語ってしまうと丸々ネタバレになってしまいますのでここでは割愛。
そんな戦いの中、主人公は学園長の娘……という設定を持つ少女、ディラン志弦に連れられて、世界の真実を教えられながら少しずつ、少しずつ自分がいる場所のことを考えていくことになります。
その間にも、「レク」と称される戦いは進んでいくわけですが、その結末は是非手にとって確かめていただきたいと思います。
この物語の構造の面白いところは、描かれる世界が「仮想」であり、しかし彼らにとっての「現実」というところだと思います。
仮想の学園の中に生きる学生たちは、それぞれが、本来の立場とは別の「何か」を演じているのだと、主人公は最初に聞かされることになります。
しかし、彼らはある意味では典型的な「キャラクター」でありながら、生きていくために戦い続けます。圧倒的な死の予感に全力で立ち向かいます。実のところ、この世界での死が直接の「死」ではないことも示唆されるのですが、それでも、彼らは確かに全力で生きているのです。
それは、ところどころで示される、気まぐれに生み出され緩慢に生きるだけの生に飽いた存在……つまり、彼らの本来在るべき姿とは対照的に、激しくも鮮やかな「青春」の香りがするのです。
果たして、この世界の構造が自分に何処まで飲みこめているかはわかりません。
まだまだ、語られていない部分も多く、末尾に付された世界の年表を見ても私の理解など及ぶはずも無く。
最後まで駆け抜けた今もまだ頭の中にぐるぐると、色々な思いが駆け巡っています。
ただ、最後の最後に、一枚の挿絵と共に描かれた「五月」。
その空の色に、何となく、爽やかな香りと一抹の希望を感じる。
そんな、妙に爽やかな後味を残すお話なのでありました。
著者:秋山真琴 さま
サークル:雲上回廊
ジャンル:遠未来学園異能SFファンタジー
著者の秋山真琴さんには色々とお世話になっているのですが(過去ログ参照)、実際に秋山さんのお話を拝読するのはこれが初めてであることに今更気づきました。
青波、地味にアンソロジーは苦手で、単独のものばかり買っているもので……。
遠い未来、人間が量子化を済ませ、荒廃した地上を見捨てて天上のコンピュータ上に生きている、そんな時代のお話。
地上のネットワーク上に存在する、六つの学園からなる仮想空間の「楽園」には、天上から己の情報を伏せて学園生活を送る「学生」たちが生きている。
そんな中、唯一、自分についての情報を完全に欠落した、つまりこの世界にはありえない「記憶喪失」の少年が現れたことから物語が始まる……。
上記のような舞台設定を聞いた瞬間に、胸を撃ち抜かれた気分でした。
仮想空間を舞台にした物語が好きで好きでたまらないSFファンタジー屋には、ドツボな設定であります。
また、表紙の空の青さ、そこに立つ少年少女の姿に止めを刺されて、速攻で購入を決定しました。
空の青さには、弱いのです。それが仮に、かりそめのものであったとしても。むしろ、かりそめである方が燃えるというものです。
そして、実際に本を紐解いてみれば、本いっぱいに広がる「学園」の情景と、学園に生きる個性的な生徒たちのやり取りから目が離せなくなります。
ジャンルの欄にもあるとおり、この物語は、上記のような設定を意識せずとも、夢中になって楽しめる異能ファンタジィバトルものなのです。読者である私たちは、難しく考えることなく、記憶喪失の主人公と共にすうっと、学園内で繰り広げられるとある「戦い」の只中に入り込んでいくことになります。
「クラス対抗レクリエーション」と銘打たれたそれは、とある一つの「書物」を、各クラスの代表者たちが己の能力を駆使して奪い合う、というものです。その「書物」を手にした者は、己の願いを一つだけ叶えられるのだ、といって。
この彼らの振るう「能力」である「ギフト」が、能力バトルもの大好きな自分はわくわくして仕方ありません。
特にA組代表のメイドを率いたお嬢様、工藤十和子さんの能力がものすごく好みなのですが、語ってしまうと丸々ネタバレになってしまいますのでここでは割愛。
そんな戦いの中、主人公は学園長の娘……という設定を持つ少女、ディラン志弦に連れられて、世界の真実を教えられながら少しずつ、少しずつ自分がいる場所のことを考えていくことになります。
その間にも、「レク」と称される戦いは進んでいくわけですが、その結末は是非手にとって確かめていただきたいと思います。
この物語の構造の面白いところは、描かれる世界が「仮想」であり、しかし彼らにとっての「現実」というところだと思います。
仮想の学園の中に生きる学生たちは、それぞれが、本来の立場とは別の「何か」を演じているのだと、主人公は最初に聞かされることになります。
しかし、彼らはある意味では典型的な「キャラクター」でありながら、生きていくために戦い続けます。圧倒的な死の予感に全力で立ち向かいます。実のところ、この世界での死が直接の「死」ではないことも示唆されるのですが、それでも、彼らは確かに全力で生きているのです。
それは、ところどころで示される、気まぐれに生み出され緩慢に生きるだけの生に飽いた存在……つまり、彼らの本来在るべき姿とは対照的に、激しくも鮮やかな「青春」の香りがするのです。
果たして、この世界の構造が自分に何処まで飲みこめているかはわかりません。
まだまだ、語られていない部分も多く、末尾に付された世界の年表を見ても私の理解など及ぶはずも無く。
最後まで駆け抜けた今もまだ頭の中にぐるぐると、色々な思いが駆け巡っています。
ただ、最後の最後に、一枚の挿絵と共に描かれた「五月」。
その空の色に、何となく、爽やかな香りと一抹の希望を感じる。
そんな、妙に爽やかな後味を残すお話なのでありました。