忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2026/01/18 22:39 |
八束と南雲Ex4
■なぐもさん
 
「おはようございます、なぐもさん!」
 八束は、明るい挨拶の声をかけて、席につく。隣の席から返事はないが、いつになく満足げな表情でパソコンの電源を入れる。
 南雲は、そんな八束を、どこか遠い目で見つめていた。
「そうだ、なぐもさん。今日は来る途中で、猫の集会を見たんですよ。なぐもさんも、一緒に見られればよかったんですけど……」
 返事はなくとも、八束は楽しげに隣の席に話しかけ続ける。しばらくその様子を黙って眺めていた南雲も、やがて見ていられなくなり、ソファの上に体を起こして、八束の背中に声をかける。
「あのさあ、八束」
「何ですか、南雲さんだった人」
「だった人……」
 南雲は、隈の浮いた目で、自分の席に鎮座ましましている「なぐもさん」――巨大アザラシのぬいぐるみを睨んだ。
 そのぬいぐるみは、本来、南雲が抱き枕として作ったものだ。八束の身長くらいある規格外の大きさと、すべすべふわふわな触り心地が特徴的な、最高傑作と自負している。
 だが、その最高傑作が、何故か自分の席に座って、しかも自分として扱われているのは、さすがに解せない。
 もちろん、理由はわかっていないわけじゃないのだが。
 八束はつんとした表情で、つぶらな瞳をしているぬいぐるみの頭をぽんぽんと撫でる。
「いつもソファでごろごろしながら人に仕事押し付けるダメな人より、こちらの方がわたしの先輩としてふさわしいと確信しています」
「そいつは、そこにいるだけで、仕事してくれるわけじゃないだろ……?」
「確かに何もしませんが、大人しく席に座っているだけでも、南雲さんだった人よりはずっと真面目だと思います」
「ごめん、俺が悪かったから、せめて『だった人』は外して」
PR

2014/06/21 12:28 | 小説断片
ゆるゆると
あまり体調がよくない日々が続いているので、
ただ会話だけを書いてるのが楽しいターン。
特に意味もなく、オチもなく。

でもまあ、それだけだとあれなので、
ひとまずは夏向けの原稿をぼちぼちやっています。
あと合間にこっそり八束と南雲を書いていたり。
突発的に思いついてしまったネタに頭を悩ませたり。
いつも通り、楽しくやっているのは間違いないです。

ただ、体力と集中力は低下してるのをひしひしと感じます。
元々体力のある方ではないのですが、それにしても無理が利かなくなりました。
まあ、無理してもいいことないので、のんびりやります。

まずは夏ティアの『ナツガタリ』。
お願いしている表紙が着彩に入ったらしく、本当にわくわくしております。
下書きの段階で、すごく美しい表紙になっておりますゆえ……。
私も、頑張って二つの物語をきちんとつなげていきたいと思います。

あと、文フリ大阪にも申し込みました。
新刊は出ないとは思いますが(ナツガタリ直後なので)
既刊引っさげて初めての関西方面です。楽しみです。

また、落ちなければ秋はティアと文フリ双方に出るつもりです。
ティアはちょっと特別なことをやろうと思っていますので、
続報をお待ちいただければ幸いです。
文フリは新刊予定悩んでますが、もしかしたら無配のみかもしれません。
……文フリに関しては、無配だけは手を抜けないのです。

今のところは、そんな感じです。
ゆったりまったり、マイペースにやっていきますー。

2014/06/20 23:50 | 創作記録
れざぼあ
基本的に青波は話を思いついたときは
メモをこうやって書くという話。

======================

 冷たい世界と、未来から目を背けたくて。
 瞼を閉じた闇の向こうから、青い光が射す。
 手を伸ばす。その手を、そっと、握る気配。
 気づけば、知らない場所と知らない誰か。
 そして、透明な「函」。

「初めまして、アドミニストレータ」
「ようこそ、たゆたう記憶の集積空間、レザヴォアへ」
「あなたが、新たなアドミニストレータに選ばれました」
「わたしは、格納された情報を整理、検索し、あなたの円滑な情報閲覧を手助けするインターフェイスです」
「アドミニストレータのお名前を聞かせていただけませんか」
「わたしの名前? 名前は特にありません。ライブラリアン、と呼んでいただければと思います」
「え、えっと、今の言葉に直すと、『司書』になるのでしょうか」
「困ったことがあったら、聞いてください。よろしく、お願いします」

「おっ、知らない奴がいる」
「こ、こんにちは、ゴーストさん」
「よう、もしかして、こいつが新しい管理者?」
「はい」
「ああ、俺か? 俺様は、この司書の嬢ちゃんと一緒にここに住み着いてる。ゴーストとでも呼んでくれ。幽霊、って意味だ」

「最初は、何が何だかわからねえと思うが、ま、あちこち眺めてりゃ、きっとわかるさ」
「どうせ、時間は腐るほど有り余ってんだろ」
「ま、これから、せいぜいよろしく頼むぜ」

 どこにもない空間「レザヴォア」。
 現実よりも、ずっとゆるやかに流れる時間。
 そこで暮らす白衣の司書、中空に浮かぶ目玉「ゴースト」。
 不可解な言葉を拾い上げ、函の中へ投げ込んで。
 少しずつ、少しずつ、深い記憶の海へと潜っていく。

「ははっ、くそったれな世界だよ、全く」/うつりゆく空の函
「私は」「俺は」『誰だ?』/錆びた鋼の函
「君を守りたいと、思ったんだ」/刃の色の函
「全部、壊れてしまえばいいのに」/薔薇色の函
「畜生、畜生……! こんなところで、俺は!」/どこまでも青い函
「俺は、幸せだった」/凍り付いた碧の函

「懐かしい、響きがします」
「わたし、『不思議の国のアリス』の結末を、知らないんです」
「教えてくれた人は、もう、どこにもいないから」

「なあ、お前にしかできないんだ」
「俺は、もう、この『システム』の一部になっちまったから」
「頼む」

「あいつの『記憶』を、見つけ出してくれ」

2014/06/20 23:20 | 創作記録
蒼穹青を書き直しつつ
意外と細かなミスが見つかりまくってて「うおお」ってなっています。
結構見直したはずだったんですけどね……、当時の中では……。
(一応提出用なのでこれ)
あと小林がアホですけど小林は小林なのでこれでいいです。

アサノはタチバナが好きだったのかというと、
多分、「蒼穹青におけるタチバナ」が好きだったんじゃないかなと。
絶対に手が届かないものに、それと分かった上で恋をするのがアサノという女だと思います。
届かないくらい高い場所にいるから、何よりも輝いて見える。
そういう、難儀な高校生女子の、恋とも愛とも言い切れない「想い出」の物語です。

っていうと結構ラブストーリーっぽく見える気がする。
でも一応、今なら言えるけど自分の中ではそういう話です。
アサノ本人は最後まで「恋」であることは認めないけどな。

2014/06/17 23:15 | 創作記録
時計うさぎの不在証明 - Near the Wonderland
「わたし、本日付で刑事課神秘対策係に配属となりました、八束結と申します!」
「……は? 君が?」

 C県警待盾署には、奇妙奇天烈な部署が存在する。
 ――刑事課、神秘対策係。
「神秘」、もしくは「オカルト」と呼ばれる現象を伴う事件を、他の部署とは独自に捜査し、その正体を暴くこと「のみ」を目的にして組織された、『特異点都市』待盾ならではの係である。
 とはいえ、目的そのものが胡散臭いために、他の部署からは軽視され、当の係員である南雲彰も、大して仕事がないのをいいことに、日々怠惰を極めていた。
 突然、係長・綿貫栄太郎が、女子中学生と見まごう「新人」を連れてくるまでは。

「呪われたら死んじゃうんですよねまだ死にたくないですお願いします助けてください!」
「綿貫さーん、やっぱりこの子ダメなんじゃないですかねー」
「何とか使いこなしてください」
「投げるんじゃねーよこの狸」
「狐と呼んでください」

 これは、オカルト事件の正体を暴く「神秘対策係」のぐだぐだな日常と、時々事件を描いた一年間の物語である。

==============

徐々にイメージが固まってはきている。
(パイロット版書いたじゃねえか)

2014/06/15 18:41 | 創作記録

<<前のページ | HOME | 次のページ>>
忍者ブログ[PR]