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2026/01/22 10:05 |
本を読みつつサルベージ
最近はどうやら読書週間のようです。イベント直後ですし。
読めるうちに読んで、出来る限り素直に感想を書いていきたいです。
あと自分の本を選ぶ嗅覚はそれなりに信じていい気がしてきました。
(本日の読書記録をつけつつ)

さて、以下はツイッターで書いた内容をサルベージ。
一応ツイッター上のものに追加していくつか付け加えているところもあります。
多少ネタバレもありますので、別に気にしないって方のみどうぞ。
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2013/05/01 22:38 | 創作記録
読書記録:『ウィスタリア(上)』
『ウィスタリア(上)』
著者:藍間真珠 さま
サークル:藍色のモノローグ
ジャンル:シリアスSFファンタジー

本当は完結してから書いたほうがいいのかなと思ったのですが、
(実際先行しているサイト掲載分は、そろそろ完結みたいですし……)
とりあえず「読んだその時に書く」をモットーに、今の時点で一旦記録しとこうと思います。
ちなみにサイト掲載分は未読です。多分これは本で一気に読んだ方がよさそうなので……。

住んでいる場所は離れているのに、何故か一ヶ月に一回くらいリアルにお会いしたりすることもある、藍間真珠さんの長編です。
いやまあ、藍間さんにとっては長編のうちに入らないのかもしれませんが(をい)。
藍間さんの、執筆を始めてから終わらせるまでのペース配分は是非見習いたいところです。

謎めいた小国ニーミナの中心部、「教会」と呼ばれる場所に潜入した青年ゼイツと、彼が出会った不思議な女性ウルナを中心に、『禁忌の力』やニーミナで信仰される「ウィスタリア教」の謎を織り交ぜて送る、SFファンタジーです。
上記だけだとファンタジーっぽく見えますが、拳銃が古代の遺物だったり、明らかな近代・現代兵器が「遺物」として登場したりと、どう考えてもポストアポカリプスものの様相を呈しております。
そしてそれらは、世界の住人にとってはそれなりには「一般常識」のようです。あまりにもそれらの情報がさらっと出てきてびっくりしました。(それは自分がいつも「過去が極端に隠蔽された」話を書いてるからだろ)
とはいえ、当然ながら謎めいた部分も多く、それらの「謎」に引き込まれるようにして、何も知らされないままにほとんど「別世界」である教会に放り込まれたゼイツと共に、ニーミナの奥に潜むものに迫ることになります。

とにかく世界観にきゅんと来ますね。数度の「下らない」戦争を経て、滅びに向かっていく世界。
当時の武器が過去の遺物となり、今に生きる人々はそれを研究しつつ、なおも武器として利用して。
そしてところどころに登場する「宇宙船」の影に興奮が隠せません。
本当に自分はこういう「一度滅びてなお滅び行く世界」大好きだなあ、と思いますが好きなんだから仕方ありません。
そしてそれらの情報が、さらりと、当たり前のように与えられるのがまた洒落ていると思うのです! ですよ!
冒頭から銃を「遺物」と言いきったところでドキッとするあたり、本当に好きなんだなあと。

物語はこの本の上では中盤のため、まだ全容が見えてはいないのですが。
「教会」のゆったりとした、しかし何とはなしに不穏なものをはらんだ空気感がとてもよいです。
時々登場する「紫の花」――タイトルにもあるウィスタリアの鮮やかさと香気が、謎めいた雰囲気を彩っています。
そんな、閉ざされた世界の中で、秘密を握るヒロイン、ウルナの危うい存在感が際立ちます。
ああいう「危うさ」はとてもよいものです。助けを求めるでもなく、己のなすべきことに囚われた、あのたたずまい……。胸がきゅんとします。これはゼイツでなくとも意識せずにはいられません。
それと、『姫様』ことルネテーラも、ものすごい存在感ですね……。上巻では登場する回数自体はそこまで多くない気がしているのですが、その無邪気さ、純真さと、彼女自身が抱えている(と思われる)もので、この世界の光と影をくっきりと見せ付けているような。
そんな一筋縄ではいかない人々を前に、ゼイツがどう未来を見出していくのか。
今から続きが楽しみで仕方ないです。

おそらく、続きは今年中には刊行される予定……でした、よね?
わくわくしながら続きを待ちたいと思います。

2013/05/01 22:02 | 読書記録
読書記録:『楽園の子供達 ~chapter phoenix / chapter siren~』
『楽園の子供達 ~chapter phoenix~』
『楽園の子供達 ~chapter siren~』
著者:志水了 さま
サークル:秋水
ジャンル:ゴシックロマン・ファンタジー

超文フリの戦利品読書週間と思ったらそんなことはなかったぜ。
読みたいものを読みたいときに読む、それが青波零也というナマモノであります。

というわけで、以前から表紙のお洒落さが気になっていて、
この前のコミティアでついに入手してしまった『楽園の子供達』シリーズを読破いたしました。
ジャンルはひとまずあとがきに従ってみました。

とにかく表紙の雰囲気が大好きです……ああいう二色刷りはロマンですね。
(chapter sirenは箔押しなのですが、この箔押しの使い方もまたとてもお洒落)
あと紙の手触りが……とてもよいです……。
作者さんのブログ見てみたら装丁にかなりのこだわりのあるお方のようなので納得。
装丁大事です。本当に。

内容としては、「ある事件により閉鎖、隔離されてしまった魔法学園。そこに取り残されてしまった生徒たちのサバイバル生活」、といったところでしょうか。
その原因となった事件のきっかけがあやふやであったり、生徒によって持っている情報が違ったりと、謎と疑念の種があちこちにばら撒かれていて、閉鎖空間スキーな私にとっては、とても美味しいお話でした。
それと、地水火風の四属性を基本とした生徒たちの魔法の描写、また魔法の「組み立て方」、魔法同士の相性など、古参ゲーマーとしてはにやっとします。また、それらの本来「馴染みない」情報を、物語を通して当たり前のものとしてすんなり飲み込ませてくれる腕前は、ファンタジィ書きとして見習わせていただきたいものです。
これらの前提があってこそ、chapter sirenの方で提示される「重要なこと」が、本当に一つの重要な情報として頭の中に飛び込んでくるわけなのですが。フレデリック……。
そんなわけで、以下はchapterごとの感想です。

【chapter phoenix】
火のグループの「三番手」アレンを中心とした第I話、
そして火のグループリーダー、シエラの視点による第II話の二本立て。
前者は学園内に存在する魔物とのバトル描写が中心。
このバトル描写が
その中で、時折織り交ぜられる「過去」から、アレンの抱いているものが見え隠れするわけですが……何か、フェニックスの人たちは(シエラの話も通して読んだ感想として)、表面的にはともかく、胸の内側に確かな熱いものを秘めた連中、という印象です。
力強くて、だからこそ、命短いような。やはり炎というのはそういうものなのでしょうかね……。

そして、すごく個人的な感想として、ノイスターがかわいいです。とても。
先輩たち二人と、強大な敵を前にして、折れるどころか奮起する一生懸命な女の子、っていいですよね……いいですよね……!
あと風魔法使いが好き、っていうあまりにも個人的な趣味嗜好もあります。

【chapter siren】
こちらは水のグループのお話。
研究者気質の少女ジェイミーの視点を中心とした「表」、
そしてchapter phoenixにも登場したカインの視点を中心とした「裏」の二本立て。
これがまたぞくっとするくらい、上手い作りになっております。表裏一体、という言葉が相応しいというか。
表で出てきた要素や彼女が目にしてきた出来事が、裏で発生した一つの事件を通して、最後の二ページに収束していく過程に唸らされました。
美しいもの。輝いて見えるもの。カインにとってのジェイミー。それを「守ろう」とするカインの決断。
「僕達のグループは狂っている。それは僕達皆が知っている事実だろう?」……そう言い放つ、水のグループリーダー、フレデリックの底の見えない雰囲気、息継ぎも許されない気配が、この物語全体を包み込んでいる気がしました。

とりとめのない感想ではありますが、とても面白く拝読させていただきました。
この学園に生きる、他の生徒たちの物語も是非目にしてみたいと思いました。
そして、学園に起こった出来事の真実と、彼らの行く末も。
そんなことを思いながら、こっそり追いかけていこうと思っております。

2013/05/01 14:20 | 読書記録
ダリアとユークリッド断片
「ダリア?」
「……どうした、ユーク」
「すみません。あなたが、どこかに、行ってしまったような、気がして」
「大丈夫だ。私はここにいる」
 ――ここに。
 ダリア・シャール・バロウズはちいさな手を握り締める。
 だが、きっと、ユークリッドはそれには気づいていないだろう。今、ユークリッドから、ダリアの姿は見えていないはずだから。それでも、ダリアの声が聞こえたことで、ユークリッドは青ざめてすら見える白い面に笑みを浮かべる。
「よかった。ダリア、次はどこに向かいますか?」
 不安でないはずはない。曖昧な足元、霞んだ意識。言葉に出さないけれど、ユークリッド自身で気づいているはずだ。自分の立っている場所が、一歩間違えばすぐに崩れ落ちてしまう、儚いものでしかない、ということくらいは。
 けれど、ユークリッドの表情には少しも迷いはない。鮮やかな色の目を瞬かせ、ダリアの言葉を待っている。
 ダリアへの、手放しの信頼。その重さとあたたかさを、確かに感じる。
 そう、あたたかいのだ。手の触れられる場所にいなくとも、ユークリッドの息遣いが、体温が、すぐ側にあるものとして、伝わってくる。きっと、ユークリッドもそうなのだろう。だからこそ、行く先の見えない世界に、毅然として立っていられるに違いない。
 ならば。
「決まっている」
 見えないとわかっていても、ダリアは、不敵に笑う。
 ユークリッドの信頼を受け止めて、凛と、声を張る。
 
「この扉の、向こうに」
 
 さあ、始めよう、「二人目」のユークリッド。
 今度こそ、このくそったれなプログラムを、終わらせてやろう。

============================

突然書きたくなった、ダリアとユークリッド。
いつかきちんと書いてあげたいなー。

2013/04/30 21:52 | 小説断片
読書記録:『黒南風の八幡~隻眼の海賊と宣教師の秘宝~』
『黒南風の八幡~隻眼の海賊と宣教師の秘宝~』
著者:唐橋史 さま
サークル:史文庫
ジャンル:本格海洋冒険譚

唐橋史さんといえば、文学フリマ界隈でも名高い「歴史作家」さんであるというのが青波の認識です。その歴史に対する造詣の深さと、創作に対する情熱をツイッター上でお見かけして、常々興味を抱いておりました。
ただ、歴史小説というとどうにもとっつきづらい印象が付きまとい、そもそも歴史に対する知識が浅すぎる自分が触れてよいものかと、ドキドキしながら遠目に見ていた次第であります。
しかし、この度何気なくこの作品のあらすじを見て、「こんなに面白そうなのに読まないのは嘘だ!」と思い、勇気を出して超文学フリマでの取り置きをお願いし(青波はどこまでもチキンである)、そして今に至ります。

まず、冒頭十ページほどを読ませていただいて、これは上手い、とただただ感嘆しました。
単純に歴史の知識を文中に盛り込むのではなく、それを「読ませる」かたち、読者を引き込むだけのかたちに落とし込む技術に唸らされます。
歴史・時代ものの一番の難しさは、「今はそこにないものを、どう読み手に伝えるか」だと思っているもので。
……実のところ、青波は江戸時代くらいの話を読むのがとても好きです。
こういう言い方は極めて乱暴なのは認識しておりますが、出てくる地名が一つもわからなくとも、出てくるものの形を何一つ知らなくても、ストーリーが面白いものはやっぱり面白いのです。
(もちろんその頃のことがわかった方が面白いのはわかるので、そろそろ真面目に調べるべきだなあ、と個人的には思っていますが、それはそれとして)
ただ、その「面白さ=ストーリーへの没入感」を得られるためには、まずは、物語の世界にどっぷりとつかれるだけの前提が必要になる、とも感じています。
その点、この本は極めて鮮やかな形で、「私の知らない世界」を目の前に描き出していました。
仮に読者の知識から離れた場所にあるものを描くにせよ、具体的にそれが「何」かに言葉を割くよりも、その空気感、手触り、匂い、そういうものをあますところなく表現することで、そこにあるものに、確かな「存在感」を示している、そんな気がしました。
この本に満ちた「生きた」気配が、物語の世界――十七世紀の海に問答無用で引きずり込んでくれました。

そして、ストーリーがまた、全編通してわくわくとときめきが止まらないエンターテインメントなのです。
小難しく考える必要なく、主人公である右近と燕による海の上の冒険を「次はどうなる!?」と一緒になって追いかけることができる、その快感。
めまぐるしく変わる状況に流されるだけでなく、行く先を見据えようとする右近の真っ直ぐな視線。敵とも味方ともいえない立ち位置で、どこまでも自由に海の上を駆けるトリックスター・「黒南風の八幡」燕の獣じみた力強さ。そして、圧倒的な力と薄ら寒い酷薄さをもちながらも、どこか人間らしさを滲ませてやまないアメルスフォールト。彼らが織り成す物語の波に、気づいたら夢中になっていました。
そこに、秘宝の謎や「片目八幡」の伝説も織り込まれて、テンポは軽快ながらも、世界の「厚み」を感じてぞくぞくしてきます。特にラストの「秘宝」の秘密が明かされる瞬間には、その冷厳な空気感と目の前に現れた「真実」にただただ圧倒されました。
そして、物語を彩る登場人物がまた、ことごとく魅力的で。特に青波は、燕に付き従う漁師にして海賊・儀助と後半に登場する鄭夫人のさりげないかっこよさにしびれました。特に後者は登場シーン数は少ないのですが、その潔さがとても美しいのです。
決して、人物についても、そう多くの言葉を割いているわけじゃないのです。それでも、そこに生きている人たちの姿は、読み手にどこまでも鮮烈な印象を植え付けてくれます。

とてもとりとめのない文章になってしまいましたが、手に汗握るアドベンチャーが好きならこの本はとても楽しめると思います。
歴史ものは堅苦しくて、なんて思ってる方にこそ是非オススメしたい、めくるめく冒険奇譚でした。

2013/04/30 20:52 | 読書記録

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