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2024/04/24 19:13 |
Ex:無理・無茶・無謀……なのか?
「シンって、綺麗な顔してるよね」
「ぁあ?」
 テレサに顔を覗き込まれ、俺は思わず変な声を上げて視線を逸らしてしまった。その……何だ。遠慮なく顔を近づけるのは止めて欲しい、ちょっと意識しちゃうじゃねえか。
「綺麗な顔って、俺が?」
「うん。作り物ってのもあるかもしれないけど、髪はさらさらだし肌は白いし。それに、いつもそんな目つきしてるからわかりにくいけど、目も結構円らで綺麗な色してるんだよね、シンって」
「へーへー、目つきが悪くて悪ぅござんした」
 実はそうなんだよな。
 俺は向こうでの癖でつい目を細めてしまいがちだ。別にこっちでも向こうでも目は悪くないんだが……元々の目つきがちょっとアレなせいで、目を細めて誤魔化す癖がある。ついでにこれも癖なんだが、目を細めるのと同時に眉を寄せてしまいがちで、そのせいですげえ不機嫌そうな顔に見られる。
 まあ八割は実際に機嫌が悪いんだが。
 で、この体。何て言ったか、確かレナード・アルクエルだっけ? そんな名前の博士の顔をそのまま再現したっぽいんだが、これがなかなかの美形だったりする。
 特に目元の辺りが似ていると言われたからには、どうもレナードさんってのは相当な童顔だったらしい。俺はいつもこんな表情してっからそうでもないが、実は目を見開くとかなり円らな目をしていて、顔の作りだけで言えば十七歳というにもちょいと幼い。
 それに、十七にしては低すぎる身長に、長い睫毛に小さくも形のいい唇……
 まあ、何だ。
 つまり、かなりの割合で……
「女の子にも見えるけどね」
「言うな。結構気にしてんだよ俺も」
 向こうの俺が顔の悪さを気にしているのとはちょっと違う意味での「気にする」だが。町を歩いてると時折周囲の目が変な意味で怖えんだよ! だから俺はごく普通の健全な十七歳高校生男子だっつーの!
「意外と気にしてたんだ?」
「気にするに決まってんだろ。全く、鋼鉄狂の奴何考えてやがるんだか」
「さあねえ、天才の考えることは僕にもわからないよ」
 テレサも肩を竦める。
 鋼鉄狂は、この体というよりモデルとなったレナードさんと何かしらの関係があるらしい。まあその辺の事情は聞いてしまうと詮索になっちまうし、俺はずっと聞けずにいるんだが。特に詳しく知りたいとも思わないし、なあ。
 だから俺も曖昧に相槌を打ったの、だが。
「それにしても、何もしなくても綺麗ってのは羨ましいなあ……」
「テレサだって、その、結構綺麗じゃねえか」
「それは、褒めてくれているのかい?」
 む、素直じゃねえな。
 というか「綺麗」っていう言葉を言うのにもちょっと勇気が要ったんだからその辺は素直に受け止めてくれよな! テレサが綺麗なのは事実なわけだしさあ。
 テレサはそんな俺の心も知らずくすくすと笑いながら、再び俺の顔を覗き込んできやがった。
「僕は色々お手入れもしてるし、化粧もしてるからさ。けど」
「け、けど?」
 俺は思わず一歩下がってしまう。
 何だろう、さっきの視線とちょっと意味合いが違う気がする。何でこんなに寒気がするんだ?
 理性では全く理解できていないが、感覚が「嫌な予感」を訴える。そして、俺の場合……理性を重んじる割に、感覚の方がよっぽど正しい判断を下していることが多い、ので、ある。
「君の顔、よくよく見ると化粧映えもしそうだね」
「謹んでお断りしたいですテレサさん」
「はは、僕相手に謹まなくてもいいんだよ、シン? ほら、ちょうどよくここに化粧道具もあることだし」
「ちょうどよくっつか普通に持ち歩いてるからだろー!」
 やばい。
 これは逃げなくては、いろいろとまずい。主に俺の男としての尊厳的に。
 だが……現実は非情である。俺の背は壁にぶち当たり、それ以上下がることを許してくれない。頼みの綱であるルクスさんは、買い物と言って出かけたまま帰ってこない。
 というか、ルクスがいたところで面白がって絶対テレサに加勢するだろうがな! わかってるよそのくらい! でもちょっと夢見たかったんだよ!
 抵抗しようにも、体格では勝るテレサには勝てる気がしない。いやまあ、テレサは魔道士だし剣士である俺が本気で暴れりゃ何とでもなるんだが、女の人相手に大暴れするなんて俺にはできません。相手がテレサでも出来ないんだよそれは!
 というわけであっさり両手を押さえられ、壁に縫い付けられる形になっちまった俺は、目の前でにっこり笑うテレサを見上げることしかできなかった。
 テレサは青い瞳でにっこりと……そりゃあもう楽しそうに微笑んだものです。
「それじゃあ、始めようか?」




続く……のか?
続かないで欲しいなあ(笑)。
ちなみにきっかけになったのは今日見てたプレイ動画のミケーレ女装イベントだったりしましたがっ。
女装は定番ですよね!(いい笑顔で)

しかしこの文章は簡単に書けたな。
そうか、青波にはギャグ分が足りてなかったのか……

あと地味に「女装してもきちんと女っぽく見える主人公」って久しぶり。
ほら、今までの主人公って、綺麗な顔だったとしても身長高かったりして女装ネタをやるにやれなかったから……ラビとかラビとかラビとか~♪
あとザワとか巽とかもそうですね。あいつら普通に180超えてます。ザワに至っては190超えてますよ! そんなオナゴは嫌だ!
あと飛鳥もゴツいので却下。胸っつかそれ大胸筋だろ!(←)
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2009/02/05 01:03 | Comments(0) | 小説断片

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