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読書記録:『虫めづる』
『虫めづる』
著者:良崎歓 さま
サイト:SIREN
ジャンル:現代学園恋愛

昆虫って、いいですよね……!
このお話は、虫をこよなく愛する少年「彼」と、そんな少年に寄り添う少女「彼女」のやり取りを綴ったツイッター小説を纏めたものです。

この二人のやり取りが、本当に、きゅんきゅんするのです。
相思相愛な二人なのですが、何しろ虫が大好きで仕方ない「彼」のこと、会話はとにかく虫の話題を交えて進んでゆきます。
それは「彼」なりの照れ隠しでもあったりするのですが、そんな「彼」の思いをひとつひとつ、丁寧に、時に大胆に汲み取っていく「彼女」。
百四十文字という文章で綴られていく二人の時間は、とてもゆったりとしていて、でも、確かに季節は移り変わっていって。「彼」と「彼女」の過ごし方も季節と一緒に変わり行くのと同時に、四季と虫との切っても切れない繋がりを感じずにはいられません。
また、ほとんどの話にはそのエピソードにまつわる虫の名前と分類が表記されていて、「これはわかるわかる」とか、「こういう特徴だったのか」とか、虫好きにはたまらんつくりになっております。
是非「彼」ではないですが、昆虫図鑑片手に!(ぐっ)
特にウスバキトンボは自分でも扱ったことのあるエピソードなので、何かこう、来るものがありますよね……。

しかし本当に「彼」が愛しいです。
オニヤンマが好きで、眼鏡のフレームがオニヤンマの目の色と同じ青緑色とか、もう、もうね! キュンとしないわけないですよね! というトンボ好き青波(←)。
あと「彼女」と身長差があんまりないところとか、虫の話以外に関しては極めて不器用なところとか、本当に、自分のツボをどれだけつけばいいんですか!
でもきっと、どれだけ「彼」が好きでも、「彼女」のようにはなれないなあ、とも思うのです。
「彼女」は、決して虫に詳しくなく、知らないことばかりで。でも「彼」のことを知りたい、「彼」と同じ場所に立っていたい、というひたむきな思いをもって「彼」を見つめていて。
そんな「彼女」だからこそ、「彼」は「彼女」の存在に救われていて、そして「彼女」を愛し続けているのだ、ひとつひとつの短いセンテンスの中からもはっきりと浮かび上がってくるのです。
この二人の関係性は、もはや切っても切れないものなんだなあ、と。
優しい気持ちで二人を見守っているような、そんな感覚で読み進められる、とても素敵な青春物語です。
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2013/05/18 19:42 | 読書記録

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